演劇『語る 戦争の時代と現代』

2009-12-01 00:00:15 | 映画・演劇・Video
azabu最近、結構「麻布演劇市」を観にいく。港区在住、在勤の人には入場料の特典があるからなのだが、まあミニ劇団ってそれなりに面白い。六本木交差点の近くにある麻布区民ホール。

『語る 戦争の時代と現代』

ストレートな反戦劇である。劇団は「ルクト舎」。一般の劇というより、劇団員による朗読のような形態である。

野坂昭如「火垂るの墓」、林幸子「ヒロシマの空」、池澤夏樹「難民になる」、ブレヒト「あとから生まれてくる人たちに」、・・・・。

社民党とか国民新党の支持者が観たら、泣いて喜ぶような筋立てである(国民新党ってあまり支持者はいないのかな)。

反戦という時の戦争ということばは、第二次大戦とベトナム戦争と第二次イラク戦争とアフガン戦争に限定されている。

イラクによるクウェート侵攻とか朝鮮戦争とか、中国が周囲のほとんどの国と大戦後、交戦したことがあるとか、そういうことは触れない。

特に、原爆被害のこととアフガンの米軍についてのプロテストが強かったように思うのだが、昭和20年3月の東京大空襲以後の日本は、加速度的に崩れていき、大敗北・大損失を被るだけだったのだから、原爆も沖縄も満州も北方領土も総体として責任の所在をとらえるべきじゃないのだろうか。

また、アフガンは戦争続行中なのだから、米軍とタリバンと、どっちがよりましかということを考えるべきなのだろう。タリバンの論理ってわかっているのだろうか。まあ戦略論ではなく戦術論としては、いろいろあるのだろうけど。

劇の世界と考えれば、「ユートピア」とか「青い鳥」とか、そういう理想郷を求めるというのは、ありなのだろうが、もっとシェークスピアみたいなヘビーなのが好きだ。なぜ、人間は戦争を始めるのかとか、そういう根源的なもの。