ピストンエンジンは永遠か!な?

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ズサンな仕事に喝!!

2005年10月04日 | クラッチ
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長年こうした仕事をしていると、やるせないことに突き当たるものです。
ワタシは何時も自分でできる最善の仕事を心がけていますが、同業者の仕業と思われるズサンな仕事を目の当たりに見ると、ホントにもう・・・・・・・・・です。


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アーリーショベルにオープンプライマリーです。
見たところでは、まだほとんど使い込まれた形跡はないですね。
しかし、クラッチハブはグラグラです。ハブナットの回り止めワッシャーはしっかりしているので、ちゃんと締めたのが何かの原因で緩んだわけではないようです。

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ハブナットはロックタブを外すと手で回ってしまったので、まるで締められていなかったようでした。
このメインシャフトサポートは、クラッチハブの裏側に擦られてキズだらけです。
メインシャフトのテーパー部はクラッチハブが密着しなければならないのですがこの様子では浮いた状態だったのでしょう。
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これは、メインシャフトとクラッチハブの勘合部に入る、回り止めの「スピールキー」です。
左側は今回のもの、右側は新品です。
4速ミッションのクラッチハブは、このようにキーとテーパー勘合の両方でハブとシャフトの固定を行っています。
ところが、コイツはナットを締めていないものですから、キーだけで動力伝達を行っていたのでキーは壊れる寸前でした。

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結論
どうして、こんな仕事をしてあったか判明しました。
’69年まではプライマリーにTIN COVER(ブリキのカバー)が使っていたので、メインシャフトが少し短いのです。
一応、メインシャフトサポートは’65年から使えると書いてありますが、シャフトが短いためにクラッチハブがサポートに干渉してしまうのです。つまりナットを締めるとメインシャフトは回らなくなってしまいます。
「驚くべき対処方法」としてナットを締め付けないということでした。
ワタシは写真のように、サポートの当たりそうなところを2mm程度削ってみたら、解決です。

幸か不幸か(涙)このアーリーショベルは車体回りもこんなレベルだったので、まともに乗れないので惨事を免れたという、なんと情けないものです。
どこのショップがこんなことをやったかはわかっていますが、ここで糾弾しても解決にはならないのでショップ名も明らかにしませんけれど、「こんなのを二百数十万も出して買わないでください」としか言い様がないですね。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
見ていて鳥肌が立つくらい杜撰な仕事が施されてい... (U.S)
2006-03-19 04:48:57
見ていて鳥肌が立つくらい杜撰な仕事が施されていました。
そのお店が出来るだけ早く体質改善されるか、淘汰されることを祈っています。
完成度の良し悪し関係なしに、口先一つで売れてしまうのも事実ですね。
一人のメカニックとして、業界全体のクオリティー向上の為に、今日も明日も死ぬまで、バイクを愛しバイクを知っていく所存です。
頑張ってください、毎日読んでいます。
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コメントありがとうございます。 (ピストン)
2006-03-19 14:29:03
コメントありがとうございます。

「真実を追究する」姿勢が少しでもあればコンナ事は起きないのですが。

一時の"ショベルのカタチさえしていれば売れた"時期がでたらめな事をさせたのでしょうね。ネイキッド以前の空冷4発ブームのときも同じようなことは沢山ありました。

メカニックの社内の発言権の確保がレベルアップにつながりますので、全国のメカにはエールを送りたいですね。

U.Sさんもより一層の精進をガンばってください。
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