ピストンエンジンは永遠か!な?

バイクを中心に話題を紹介します

モリブデンショット

2006年04月10日 | シリンダー、シリンダーヘッド

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ショベルヘッドエンジンのメーカー不明の社外シリンダーです。

今まで動いていたエンジンに使用してあったので、ボーリングしてオーバーサイズのピストンを使えば、まあ使えると思いますがモリブデンショットの処理を施しました。

しかし、大抵の場合シリンダーの内壁には深いキズがあり、 それが燃焼室へのオイル上がりになり、バルブ周りのオイル下がりと相まって燃焼室のカーボン堆積の原因となっていると考えられ、最近のテクノロジーであるモリブデンショットが解決の道になるか興味のあるところです。

以前にボロンライナーの紹介もしましたが、それよりコストの安いに越した事はありません。

施行会社によればバインダー(固定するための仲介物)を必要とせず加工は圧搾空気のみで、4.3ミクロンの母材深部まで再結晶化させるので、剥離の心配がなく、半永久的に効果が持続するということです。

更にフリクションの低減効果はWPC加工の2倍以上、通常のコーティングではコーティング層の摩滅により低下や消滅が見られるのに対し2硫化モリブデンの刷り込み現象、などなど良い事づくしでございます。

効果の判定は相当の距離を走行後ということになりますが、まずは乞うご期待。

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シリンダー内壁は、やはり二硫化モリブデンぽいグレーになっています。

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リペイントするために、サンドブラストを掛けてサビや古いペイントを落とします。

マスキングをして、サンドブラストを掛けたくない部分を保護します。これが結構手間で・・・・。

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矢印はクランクケースとの当り面です。シリンダーの下側になりますが、ココは意外と重要で、シリンダー取り付け角度はこの面で決まりますから、シリンダー軸と直角でなければなりません。シリンダーが長いので僅かな狂いが上部では大きくなりますね。

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社外シリンダーの全部を検証した訳ではありませんけれど、多くはベースナットの研磨部分のスペースが小さいですね。赤の矢印の左側が社外品で、青の矢印が純正シリンダーです。

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右の純正シリンダーに付いていたベースナットと三角形のベースワッシャーと、左は社外シリンダーに使っていた省スペース型のナットです。面圧が高すぎると座屈が心配ですね。

製造からカナリの年数が経っていると、各部に社外パーツが使われているのは珍しいことではありません。それを全部純正品に戻すのは不可能ではありませんけれど、コストの面と元々の性能に疑問もありますので純正部品が全て良いとも限りません。使える部品は最新の技術と情熱で性能を保証できるようになれば良いですね。


ラバーマウントエンジン

2006年04月10日 | エンジン

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エンジンの不快な振動が?

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当ブログでは珍しい現行モデルの登場です。

継続車検に付随する作業ですが、24ヶ月か16000km毎に各部の増締めがメーカーに指定されています。

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エンジンマウントは何箇所もありますが、矢印のフロントマウントは車両によっては頻繁に増し締めしたほうが良いかもしれません。

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クローズアップすると矢印が示すナットです。

緩むといっても原因はラバーのヘタリだと思われ、ナット自体は緩み止め(回転止め)になっていますので脱落はしないでしょう。

コレも勿論前回の車検で増し締めは行いましたが、約8000kmの走行で規定トルクで締めると2回転も回りました。

ココが揺るんでいるとブルブルとした大きい振動が増えますが、徐々に増えるためオーナー自身は意外と気づきにくいものです。試運転すると作業のあとでは1/3くらいの振動が収まります。

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ボルトは貫通していますから、増し締めするときはボルトの頭部を押さえなければなりません。

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やはりココでは登場機会の少ないトルクレンチですが、規定トルクは48~61Nmです。

トルクレンチは使用頻度にもよりますが年に1回は校正が必要です。

同じラバーマウントでもダイナ系はトップマウント(前後シリンダーの間)のヘッドと固定しているボルトが良く緩みます。脱落してしまった例もありますが、ダイナでは車体剛性に大きな悪影響があり大変な事になります。

*近年では”ユーザー車検”が盛んに行われていますが、”優秀なメカニック”は勘所を押さえて点検整備を行います。ユーザー車検でもキチンとしたスケジュールによりメィンテナンスが行われていれば問題はありませんけれど、多くは車検がタダのセレモニーになってしまって時折ガタガタのハーレーも見受けます。それが原因で若くして○○セレモニーのお世話にはならないでください!


ネジきり

2006年04月10日 | 金属加工

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通常のハンドタップには左側から#1(先タップ) #2(中タップ) #3(上げタップ)とあり、使う順序もこの通りです。

アルミなどの柔らかい材料では#2からでも可能ですけれど、ステンレスのような硬い材料にタップをたてるのには#1から始め更に注意をしないと失敗します。

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拡大すると分り易いですね。これはM8-1.25の表示ですからネジ径が8mmでピッチ間距離が1.25mmという事です。メートルネジにもピッチが数種類ありますが、一般的にはM8では並目の1.5と細目の1.25ですね。

こうした工具はサビに対する抵抗力がないので、刃の部分は素手で触らないでください。

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タップの材質も材料にあわせて何種類もありますが、普通の鉄用でも鈍らなければステンレスに使用可能です。そしてワタシはワコーズのタッピングコンパウンドも使用します。

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ネジをきりたい穴は下穴サイズが定められています。M8の場合の下穴は6.8mmです。

そして少し大きめに面取りを施しておくとタップが食いつきやすいので、面取りカッターがなくとも大き目のドリルを使って面取りをすれば良いでしょう。

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タップ立ての鉄則は穴にマッスグ入れることで、曲げてしまうと決して深いネジは切れませんし、無理をするとタップが折れて失敗ということになります。

ワタシはこうした棒状の材料は旋盤で加工したついでに、ドリルの替りにタップをチャックにつけて最初の3山くらいをネジきりします。

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M8でも材料がステンレスだと結構大きな力を掛けますので、普通のバイスより旋盤の3方チャックのほうが確実に固定できるので、このままタップハンドルを使い作業を進めます。

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この通り完璧?なネジ山の加工に成功いたしました。

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出来上がったモノは、果たして何に?

続きます。