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トランスミッション組み立て

2006年02月05日 | トランスミッション
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いよいよ4速トランスミッションの組み立てに入ります。
この一見汚いものは、ワタシにとって”カケガエ”のないSSTです。
ミッションの長いメインシャフトが邪魔になり、縦にしたり横にしたりしながらの組み立てには、コイツはスゴク役に立ってくれます。
2×4の材木を使っているので部品がキズにならずに、シリンダーヘッドにバルブを組み込むときにも使えます。

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ミッションケースにメインドライブギアをセットしたら、ケース内の「出っ張り」のメインドライブギア寄りに3速ギア・スラストワッシャー・リテーニングリング・シフタークラッチの順にメインシャフトに入れていきます。

*分解するときには、メインシャフトの左端のベアリング/ハウジングをケースから抜いて(メインシャフトをクラッチ側からプレスで押すか、当て物をして叩き出す。叩き出した場合は右端のベアリングは要交換)から、ケース内でリテーニングリングを外します。

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クラッチスリーブにはHIGHの刻印があり、コチラをメインドライブギアのほうに向けます。

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リテーニングリングを動かすのには、写真のような細いマイナスドライバーを曲げたSSTが有効です。

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メインシャフト上の各部品をずらしながらシャフトを奥へ差し込みます。

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3速ギアを奥まで押し、リテーニングリングを溝に確実にいれます。
このリングは必ず新品を用意しておきます。

*分解時にはココがキーポイントです。
リテーニングリングを外すのはスゴクやりずらいので、ワタシはマイナスドライバーを曲げたSSTを開発?いたしました。


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リテーニングリングがキチンと収まったら、クラッチスリーブがスプラインから外れないように気をつけて、ベアリングハウジングを圧入します。

*この時にシャフトを押してはベアリングに負担を掛けてしまいますので、ハウジングを押さなくてはなりません。

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カウンターギアを組み込む時には、矢印のスラストワッシャーの取り扱いに注意します。
反対側のワッシャーは凹部に嵌るので良いのですが、こちらはそうは行きません。
まず、グリスを塗って張り付けます。

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カウンターギアにスラストワッシャーを張り付けて、落とさないように気をつけながらケース内に落とし込みます。
ワッシャーが落ちていないのを確認して、行方不明にならないように棒状のものを差し込んでおきます。

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カウンターシャフトにはOリングが付きますので、ドライで押し込むと切れてしまう事がありますから、ココでワタシは液体ガスケットを使います。

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木製SSTが威力を発揮します。
ミッションを通常のカタチで作業を進めると、カウンターギアが重さで傾きますので、スラストワッシャーの位置を調整するのが非常に困難になります。
特製の台にはメインシャフトが邪魔にならずにミッションを縦に安定して置け、安心してスラストワッシャーの位置を調整できます。しかも下から手でシャフトを押すことが出来ます。

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カウンターシャフトが無事に貫通できたら、液体ガスケットが固まらないうちにナットを仮締めしておきます。

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先ほどのスラストワッシャーがあるべき位置にあるか確認します。


*このように4速ミッションは”知恵の輪”みたいになっていて、マニュアルによってはメインシャフトのリテーニングリングの外し方などは記されていません。ここでは”大判振る舞い”でワタシの秘技も披露させていただきましたが、ミッションの組み立てミスによる2次災害は非常に危険ですから、細心の注意をはらわなくてはなりません。

*くどいようですが、トランスミッションは重要保安部品になりますので、分解整備は設備の整った認証整備工場でおこなってください。