昨日、あるセミナーに参加した。教員や教育行政の公務員たちが集まつて学びを深めようといふ主旨で、初めて参加したが面白かつた。
かういふセミナーに来る人は、普段は知らないがその場では「善人」になつてしまふからちょつと気が引ける。「本音で話しませう」と言はれても、とてもとても本音でなんて話せない。初対面で本音で話されたら、こちらも引いてしまふ。だから、当然こちらも本音でなんて話せない。お互ひに値踏みしながら少しづつ話せる深度を深めていくといふのが作法である。
4時間ほどのセミナーなので、多少「きれいごと」で終はつてしまつたところもあるが、結構面白いものだつた。一つ得た収穫は、非認知能力と呼ばれる資質が学びには大切だといふ知見だつた。お恥づかしいが、さういふ言葉を知らなかつた。「認知能力」の開発や「メタ認知」といふことは学習理論として知つてゐたつもりだが、非認知能力といふのが今どきの子供たちには特に必要らしいといふことを初めて教へてもらつた。そして、その開発には「自己紹介」を徹底的にするとよいといふことあつた。自己紹介をしながら、自分とはさういふことを考へてゐる存在なのかといふこを知ることができる。それがよいのらしい。そこで、実践をしてみた。
それは単純な自己紹介ではなく、「一か月間の休暇があれば、あなたは何をしますか」といふものであつた。3分ほど考へて、1分間話せといふ課題であつた。
6名でグループを作り、それぞれの話をうかがふ趣向。かういふが苦手である。今どきのセミナーは、かういふ「実践」があるのが好かない。でも仕方ないからやつてみた。
私が話したのは、「本の整理」といふこと。ストレスがたまると本を買つてしまふ。ストレスのほとんどは、授業がうまくいかないことによるもので、それが知識の不足に拠るものと感じるから、あれこれと本を買つてしまふ。それでゐて読むスピードは遅いから、いきおひ読んでゐない本が山積みになつていく。それがさらにストレスになるといふ悪循環をもう何十年も続けてゐるから、本はときどき捨てなければならない。そんなことを話した。
ほかの人は、海外に行くとか、料理の勉強をするとか、言つてゐた。
かういふ話を何回もやつていくうちに、「気づき」が生まれるのだらうか。それでも少しだけ興味が沸いた。
今日は、これぐらゐにしておかう。