【ニュースの壷】甲府市新庁舎 課題と期待 2007年9月22日の読売新聞山梨版が報じた内容で私は特に財源についての解説がありがたかった。議会議事録などを丹念に読めば分かると思うのですが、まとまった解説はなかなか目にしませんでした。
財源どう確保/中心街活性化の起爆剤に
甲府市は、新庁舎を現在地(丸の内)に建設することを正式に決めた。耐震性がなく、建て替えの必要性が指摘されてから二十数年。約5年後の完成を目指し、「県都の顔」を一新する100億円規模の事業が、ようやく出発点に立った。地元からは中心街活性化の起爆材にとの期待も大きい。(赤井真平)
不便
甲府市里吉の主婦(60)は、国民健康保険と老人健康保険の手続きのため、毎月、市役所本庁舎を訪れる。窓口は、同じ福祉部なのに1号館と2号館に分かれている。床に張られた、棟ごとに色分けされたテープをたどって移動するが、迷うこともある。「同じ建物に窓口を置いてほしいですね」と不満顔だ。
(この取材記事の中身は疑問です、ワンストップサービスは建物に関係なく実施できます、ICTが進んでいるはずの甲府市役所だと思います。毎月市役所に行かねばならない手続きがどんなものか分かりませんが、顧客本意のシステムに改善することも行政改革です。法律がそうなっているなら、それは議員のお仕事です。)
市役所本庁舎は4棟構成で1929年から64年にかけて建設された。窓口こそ本庁舎に集まっているが、本庁舎以外の建物に課が分散していたり、手狭だったりする部も多い。
税務部のある本庁舎4号館1階。中央に太い柱が数本立ち、電子機器のコードが地をはう。通路も狭く、約100人の職員は背中をくっつけ合うように座る。「納税の時期は書類の山で身動きが取れない」と堀内正仁・市民税課長は嘆く。
決断
「震度5強~6弱の地震に対し、崩壊や倒壊の危険性がある」――。1998年に行われた本庁舎4棟の耐震診断結果だ。建て替えが急務であることは市議会や市民の間で異論はない。
しかし、財政難が阻んできた。「何十年間も建て替えろと言い続けたが、財政当局が『金がない』と首を縦に振らなかった」。ベテラン市議は振り返る。
市の歳入のうち借金返済に充てる割合を示す実質公債費比率は2004~06年度の平均で20・8%と県内自治体ワースト。庁舎建設費として市がはじいたのは約100億円。まともに市民が負担すれば、1人当たり5万円、世帯当たり11万円となる。
そこに“切り札”となったのが、中道町、上九一色村との合併で使えるようになった「合併特例債」だ。庁舎建設に充てる起債額は約50億円を見込む。
宮島雅展市長は再選した今年1月の市長選で、建て替えを公約に盛り込んだ。「耐震面で急がなければいけないという状況、合併特例債、市民の声。その三つが絡み合って、今やらなければ、と決めた」と話す。中でも「(特例債が)決断を後押しした部分はある」と明かす。
(合併特例債というのは上野原市の地デジ対応地域情報化でも聞きました。中身は知りませんのでどんなものか勉強してみたいと思います。新庁舎が欲しくて合併したのだろうなどと失礼な事を私は考えていません。)
財源
最大の課題である建設財源。30億円を目指す建設基金の積み立ては、97年度に始まり、残高は2007年度末で19億円を見込む。
合併特例債は、元利償還金の7割が国の交付税で賄われるため、市が20年間で起債を見込む50億円のうち、市の負担は十数億円。
不足分について、市は一般財源のほか、各種補助金や交付金の活用も選択肢に入れるほか、宮島市長は市民や団体から寄付を募り、建設資金に充てる考えだ。
90年に総合市民会館を建設した際には寄付を募り、約6億円が集まった。庁舎新築に対しては甲府商工会議所が寄付の意向を示しているが、市幹部は「今は時代が違って行政への目も厳しい。協力してもらえるだろうか」と不安も漏らす。
市は今後、庁舎のあり方について意見を聞く「市民会議」も予定する。
集客
宮島市長は、新庁舎に、市民が交流できる休憩施設や飲食店、イベント広場を設置する考えを示している。地元経済界からは、中心街活性化への期待も聞かれる。甲府商議所は、特産ワインの販売スペースやレストランの設置、「土日の窓口サービス実施」を市に要請した。「中心街には休憩できる場所がない。土日に人が集まり、市民サービスの向上にもつながる」と渡辺恭史専務理事は話す。
甲府商店街連盟は市役所前のバス停を改修し、無料バス「レトボン」で新庁舎と商店街を結びたい考えだ。長坂善雄会長は「生涯学習施設のように人が集まる施設を作ってほしい。商店街の集客につながる」と期待する。
いつも何か施設を欲しがりますが、甲府銀座ビルにある「あるじゃん」の利用状況はどの程度なのでしょう。駐車場が有料だから、誰も利用しないのでしょうか。
レトボン活用だって、やる気なら今でもすぐにできるはずです。
「中心街には休憩できる場所がない・・・」って、あのポケットパークはどのように使われていますか? 単なる空き地のまま放置しているのではないですか。
空き店舗が全て埋まっていて、中心街では「市民が交流できる休憩施設や飲食店、特産ワインの販売スペースやレストラン」を作るスペースがもう無いのでしょうか?
今できることをすぐに始めることが大切だと改めて思いました。読売新聞さん、貴重な情報をありがとうございました。