樫田 秀樹氏が 2023.01.12 ご自身のFacebookに掲載された記事
一部記者らによる執拗なまでの静岡バッシング。
静岡県の川勝知事、そして、リニア工事で失われる水の全量戻しについてJR東海と協議している県の環境保全連絡会議の有識者たちのスタンスは「リニアは建設してもいい。だけど、県の水源を守り、生態系も維持する方策を構築してほしい」ということだ。その方策の具体策がJR東海から出てこないから、県はリニア工事を許可していない。だが一部記者らは「静岡はごねている」「静岡のせいでリニアが完成しない」との記事を書く。
2027年リニア開通が不可能なのは、静岡のせいというよりも、他県での工事の遅れこそが原因だ。その一覧表はここでも何度か投稿してきた。
そしてなかには、工事の遅れ以前に工事が始まっていない工区がある。もっといえば、工事契約すらしていない工区もある。
1.リニア神奈川県駅。4つの工区があるが、その一つ「非開削工区」は工事未契約。工期10年なので、仮に今年着工でも完成は2033年。その後、電気調整試験や走行実験などに2年かかるとすれば2035年になる。その時点で8年遅れ。
2.リニア山梨県駅。工期9年だが未契約。今年着工でも完成は2032年。同じく、その後の電気調整試験や走行実験などに2年かかる。
3.岐阜県可児市の久々利トンネル。工期11年だが工事未契約。今年着工でも2034年完成。7年遅れ。
4.岐阜県恵那市の第一大井トンネル。工期10年だが工事未契約。同じく2033年完成。6年遅れ。
5.岐阜県恵那市の第二大井トンネル。工事11年だが工事未契約。同じく2034年完成。7年遅れ。
2020年6月。金子慎JR東海社長は「6月中に着工させてもらえれば2027年開通に間に合う」と静岡県に要請した。ということは、現在、静岡県での遅れは2年半ということになるが、上記の遅れからははるかに少ない。
工事未契約工区についてはJR東海のHPでも公開しているのに、こんな簡単な事実も抑えずに静岡バッシングに走る記者たちの魂胆は何だろうか。
画像の「L地区(山岳トンネル①)」とあるのが「久々利トンネル」の工程表。JR東海が「我々のお約束」と明言している環境影響評価書に掲載されております。
樫田 秀樹氏が 2023.01.11 ご自身のFacebookに掲載された記事です、冒頭を引用・・・
●●横行する杜撰な記事や恣意的に事実を曲げている記事
私はリニア建設に賛成でも反対でもない立場だ。だが、事業者JR東海のリニアを推進するその姿勢、つまり、対住民や対自治体の姿勢には十分な問題意識を覚えている。それはこれまでも書いてきたから繰り返さないが、加えて、今悩ましいのは、メディアのリニア報道が極めて貧弱であることだ。(以下引用省略 /
Facebook・この記事のアドレス)
【編注】ジャーナリスト・樫田秀樹氏のメインサイトは
記事の裏だって伝えたい、ご覧なった方は多いと存じます。ご紹介したFacebook記事は1月12日早朝にアップされたようで、既に読者コメントも複数入っています。JR東海の発表を記録した記事に付け加えておきますが、皮肉ではありません・・・