2008年3月28日に、総務省関東総合通信局が甲州市で続けていた広帯域移動無線アクセスシステム(BWA)活用による中山間地域のブロードバンド構築に関する調査検討の実験結果について報告書がでました。
報告書のまとめには、『条件不利地域において、ブロードバンドを提供するためには、ワイヤレスブロードバンドシステムが有力な手段である。今回の技術検証で、WiMAXがその手段のひとつとして有効なシステムであることが確認された。
加えてWiMAXは、
①比較的見通しが良く家屋が点在している地域には面的にカバーす るシステム、
②山間部にブロードバンドを提供するためには中継回線としての活用、
と、利用シーンに応じて柔軟なシステム設計が可能である。』
と書かれています。
私は2007年6月14日に甲州市勝沼にある「ぶどうの丘・イベントホール」で開催された「中山間地域等におけるワイヤレスブロードバンド活用セミナー」を聴講した時にWiMAX (ワイマックス、Worldwide Interoperability for Microwave Access) という技術のことや実用化について知りました。
報告書による技術実験は「かつぬま情報館」-「大藤小学校」-「柳沢峠」-「落合分校」という国道411号線ルートの中山間地域のようですが、私はMapFap地図を見ても一度通ったきりの411号線の様子をおぼろげに思い出す程度です。
現在通行止になっている国道358号線の上九一色地区も市街地からの距離などを考えれば通信インフラとしては同じようなものです。このことは過日の甲府市議会質疑応答でも分かりました。未だ行ったことがありませんが笛吹市の芦川やリニアのトンネルが抜けるかも知れない早川町なども同様と思えます。
今回の総務省関東総合通信局のプロジェクトは山梨情報ハイウェイとは無関係で、2007年の情報通信月間中で開催された県内イベントでは情報ハイウェイがWiMAXを取り込むかどうかについては特に話がでていなかったと思いますし、過日の「山梨県情報政策アドバイザー会議の提言」でもWiMAXはおろかラストワンマイル問題もこの提言には顕れていなかったように思います。しかし今回の実験地域は山梨情報ハイウェイからは外れた地域です。そこを総務省が実験エリアに選んだことは100%ブロードバンド化を目指す国としての考え方が見えた大切な問題と思います。
WiMAXはもちろん地デジとも関係ありません。411号線沿線の中山間地域は山梨県の90%以上をカバーするというCATV網からも外れているのだと思います。CATVが戸別に届いているなら現用回線でもブロードバンド化は可能でしょう。それ故に総務省はWiMAXの必要性がある地域だと考えたのだと思います。この事は芦川や早川でも同じなのでしょうか、そういう山梨県通信インフラの全体像が私には未だ分かっていないので、情報ハイウェイ関係のページは少しずつ整理している段階です。