「太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男」を「グランパーク東宝8」で観てきました。ロビーの看板をケータイで撮影したもので雰囲気のみの写真です。映画館にはデジカメは持たず、李下に冠を正さずのやせ我慢(^o^)
2011.02.14 ワークショップ@山梨 文学シネマアワードで平山秀幸監督と若松孝二監督のことも書きましたが、この催しで知るまで私はこの映画があることを知りませんでした。サイトにはリンクしていましたがトップページを見たきりで中は読まずに出かけました、唯一のソースは平山監督のインタビューを掲載した産経新聞の記事でしたが、それも内容を忘れていて、大場大尉という名前も映画の中で分かったほどです。
ラストに近い部分、日の丸を掲げて軍歌を歌いながら行進して来る場面で涙が止りませんでした。何故泣けるのか自分でも分からないまま・・・そして、軍刀による礼法なのだと思いますが、大場大尉の所作も美しかった。
その前段で収容所にいる女性たちが「兵隊さんに着ていただくのよ」と軍服を繕い、畳み、揃えているシーンがありましたが、それが密かに収容所から陣地に届けられたことは察しがつきます。討ち入り後の赤穂義士が泉岳寺まで行進するシーンは芝居の創作だとしても、サイパンのこれは史実として記録されているもの、同じ47名。
戻ってから産経新聞を読み返してみると、「撮影していて、ぼくもスタッフも何だかぞくぞくっとした。だいぶ悩んだがうまくいってよかった。あれは彼らの儀式であり、最後の戦いなんです」と平山監督の言葉がありました。
テレビドガッチ > 映画 > 注目特集 > 「太平洋の奇跡‐フォックスと呼ばれた男-」特集ページに平山秀幸監督のインタビュー動画があります。
サイパンの米軍の中に当時の日本、日本軍人の精神を理解している将校(ルイス大尉)がいたこと、米軍司令官が交代させられてその将校の考え方を理解する司令官が赴任したこと、この辺の展開を観ながら「菊と刀」をふと思い出していました。
大場大尉が最終的に投降を決断したのは総司令官から届いた降伏命令書だったのですが、それが1945年11月末にサイパンの山地に隠れている残留部隊に届いた経緯を推測すると、大きな政治力が働いているような気がします。物量戦だけではない部分で日本は負けたのかと考えさせられます、今の時代も、これからの時代にも・・・原作を読んでみたいです。大場栄大尉のことも知りたい。
ヒーローがいない映画というのは見終ってからいつも重苦しいものが残ります。
でも、山梨 文学シネマアワード2011、平山秀幸監督のお蔭で良い映画を観ることができました。次は3月26日の「キャタピラー」だ。