日々是好日日記

心にうつりゆくよしなしごとを<思う存分>書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ

要するにみんな無能だったということ

2024年10月11日 07時48分52秒 | 政治
 「シャープがテレビ向けの大型液晶パネルを生産していた堺工場を8月下旬に停止した。大阪府の熱心な企業誘致で、新日鉄の堺製鉄所の跡地に建設されてから約15年。かつて日本が世界を席巻した液晶パネル産業の衰退を象徴する出来事をどう見ているのか。誘致当時の大阪府知事、太田房江参院議員(73)に聞いた」(2024/10/08朝日新聞)。
 以下は、その太田議員の回想:「全国初の女性知事として2000年から大阪府政を担いました。地盤沈下が続く大阪の経済再生が課題でした。1990年代に近畿通商産業局に勤務していたころ、堺の製鉄所跡地にも行きました。泥炭地の上に荒涼とした風が吹いていました。大阪も産業構造を転換しつつ、次の発展を目指すべき時期に来ていると感じたことを覚えています。48歳で府知事になったのは、衰退した経済をもり立てるのに通産省での長年の経験が生かせるのではとの思いがあったからです」 当時は小泉政権下で公共工事の削減が進められ、自治体は企業誘致を争っていました。2002年にシャープが液晶工場を三重県亀山市に建てることになった社90億円の補助金でした」(同上新聞記事)90億円の補助金でした」(同上新聞記事)
 シャープが亀岡工場から大阪堺市へ規模を数倍増にして移転した黄金期の思い出話である。当時このシャープの後ろを韓国企業が虎視眈々と追ってくる。それだけではない、その後ろに中国企業も狙いすましていることに気がつくはずもなかった。そういうことを産業政策を司る通産官僚として唯々諾々と眺めていただけというのがこの自慢話内実であった。
 太田氏の語るこの話題のシャープ堺工場がフル操業に入ろうとした時点で、最早世界のシャープの地位は失っていたのであり、この事業拡大がその後の台湾電路(株)=TSMCへの身売りの起点とさえなったのである。太田氏がこの激動の歴史を回顧するだけでなく自らの責任と考えているのか否かが大いに気になる記事内容である。
 このシャープを配下に吸収した台湾企業TSMCを、巨額の国費を投入して熊本に誘致し、敗北に敗北を続けた半導体産業の巻き返しを画策しているのが通産省の後裔経産省である。ここでも、かつての太田大阪通産局長が指導助言を誤ったように、また再び熊本で経産省は誤っていないだろうか? 今思えば、日本は半導体産業の成長期に世界を後ろに見てトップを走っていた。真空管に替わる半導体産業を創始したのはアメリカだった。ショックレーなどノーベル賞受賞者たちこそ半導体産業の創業者であった。それを見たソ連のプラウダ紙は、あれはソ連がすでに気がついていたものだと主張していたが、その米ソの間隙をぬって日本のソニーがオールトランジスターで動作するラジオとテレビを造ってアメリカに輸出してアメリカ人を大いに悔しがらせた。その半導体産業を台湾から移植しなければならなくなったのは上記太田氏の後輩たちの無能さと財界指導者たちの無策の由縁所為に違いない!、と筆者は思っている。
 これもまた「二度目・三度目の敗戦ではないか?」と筆者は確信しているのだが、太田氏の自慢話を唯々諾々と載せる新聞記事を見てついつい悪態をつきたくなったのでここに一筆啓上しました。

牧原法相は即刻辞任すべきである

2024年10月10日 07時36分06秒 | 政治
 「牧原秀樹法相は8日の閣議後の記者会見で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)や、関連団体が主催する集会や会合に少なくとも計10回自ら出席していたと明らかにした。選挙支援も受けていたという。教団との関連を認識していなかったと釈明した。牧原氏の説明によると、教団主催の行事に少なくとも1回、関連団体の行事への出席は9回で、計10回のうち9回は講演やあいさつをしていた。関連団体への出席は秘書らによる代理出席を含めると計34回確認されたという。『当時は(関連性を)認識していなかった』と説明した」(「牧原法相、旧統一教会関連行事に自身が10回以上出席、選挙支援も」2024/10/08 朝日新聞)
 この話題の主人公牧原秀樹氏、彼のキャリアについてWikipediaを開いてみると、これ以上ありませんという程の<輝かしい>学歴と職歴を経て今日に至っている。その過程では、科学的な思想や思考、古今の哲学は言うに及ばず近代法体系のすべてを知悉し、インテリーゲンチャーとして当然入るべきでない社会領域についてもルールをよくよく知り尽くしていた筈である。それを要するに、牧原氏が件の宗教団体にかくも深々と参加すればするほどに「教養が邪魔をして」耐えがたい苦痛を感じたはずであり、感じなければウソである。にも拘らず、これと深々と交わったについてはそれなりの褒美がもらえるという企み、たとえば選挙に勝ちたい・当選したい、それには「邪宗門」と知りつつも「票」のために付き合わざるを得ないから仕方なく言いなりに付き合っていた、というような邪心・悪心がなければならない筈だった。
「否!、そうではない、自分は心底この教団とその教義に心酔していた」のだと氏が言うのであれば、もはや近代国家のテクノクラートとして失格のそしりを免れない。一体全体どっちなのであろうか? 後者であるというのなら法務担当の大臣としては失格であり、不適任であるのは明々白々である。
日本政府はいま、この団体を宗教法人として認められないと主張してそのことで司法の判断を待っている。そのことは、この教団に取って文字通りの死活問題であって徒やおろそかな事態ではない。その判断をする国家機関の法務行政を与る国務大臣に同氏は任命されている。どうみても説明ができないはずだ。少なくともこの大臣ポストから辞去すべきであろう!
 


この鈍感さの起源は政治的!、あまりに政治的!!

2024年10月09日 07時53分48秒 | 政治
 「自民党山口県連は7日、次期衆院選の比例中国ブロックの単独候補として、同ブロックの杉田水脈衆院議員を擁立することを決め、党本部に公認申請した。杉田氏は派閥の裏金事件で計1564万円の不記載があり、党から役職停止6カ月の処分を受けた。石破茂首相は6日、裏金事件で党内処分を受けた一部議員について条件付きで非公認とする方針を示している。杉田氏が公認されるかは、党本部が近く判断する。杉田氏の公認推薦は、7日の選挙対策委員会で決まった。友田有幹事長は選対後、党本部から女性候補を申請するように要望を受けていたことを明かしたうえで、杉田氏については「本人の希望もあり、決定した」と記者団に説明した」(2024/10/08 朝日新聞)
 この記事には、更に次のような一文が付いている。すなわち、「小選挙区は、1区高村正大氏、2区岸信千世氏、3区林芳正氏を公認申請した。いずれも現職」。ここに掲げられている御3人はすべて政治家=国会議員4代目。家の子郎党で固めた体制はビクともしない。加えて比例中国ブロックに問題児=杉田水脈女史をあっけらかんと推挙してはばからない。なにしろ、この人物、故安倍晋三氏が推挙し、氏の期待に応えて国政政治家にあるまじき武勇伝に事欠かない。山口県連のノミネーションについては外野席が喧しいことになることを百も承知の上で、それでも安倍晋三氏の寵愛深かったとして出してきたものであろう?。それというのも遠くに火事があれば野次馬たちの興味関心がそちらに集中することで、自らの身辺は喧しいことにならずに済むという計算もあってのことでもあろう、か?
それにしても、党中央がこの提案を受け入れるのであろうか? ここにも石破内閣の「品質」が問われているのだが、はてどうする?! 今日午後には、首班指名からたった8日と、過去最も早期にして、世に「7条解散」という<憲法違反>を根拠の国会解散を断行するという。この鈍感さの起源は、すべて政治的、あまりにも政治的に過ぎる。
 


「世論を無視できなかった」精神を評価する

2024年10月08日 07時18分25秒 | 政治
 「石破茂首相(自民党総裁)は6日、派閥の政治資金パーティー裏金事件で不記載があった現職国会議員・支部長計43人(引退を表明した議員をのぞく)について、次期衆院選(15日公示、27日投開票予定)で比例代表への重複立候補を認めないと表明した。他に萩生田光一元政調会長ら6議員については、4月に決めた党内処分が続いているなどとして、小選挙区での公認もしないとした。党本部で森山裕幹事長らと会談後、記者団に明らかにした。党執行部は裏金議員について、原則公認し、比例代表との重複立候補も原則容認する方向だったが、世論からの強い批判を背景に、首相が党内を押し切った形だ。」(2024/09/06 毎日新聞)
 これはささやかながら民衆が形成した世論の稀有な「勝利」だ。政治は、世論におもねてはいけないが、世論を無視することは決してあってはならない。石破首相のこの度の決断はタイミングを失したとはいえ強烈な「世論」に対面して、これを無視せずに行動変容したこととして大いに評価したい。
それというのも、安倍政権の8年間と、それに続く菅・岸田政権の4年間が「世論」を徹底的にバカにし無視してきたコトからすれば切羽詰まるまでのこの手遅れを強く不満とはするものの、世論を前にして襟を正してみせたコトとして一定の評価を贈りたい。世論に抗せずこれを無視できなかったことを高く評価する。
「ウソとごまかしは泥棒の始まり」とは小学校一年生が教わる道徳教科第一章にある徳目である。それを世の政治家に語って聞かせなければならないという浅ましさは、国民にとっては尋常一葉のことではない。不正な金員の着服はドロボウ行為ながら「みんなでやれば怖くない」とばかりに、歴代政権が平然とコトをやり過ごそうとしたことは許し難い。
岸田氏のこの度の判断の正邪は、窮極、選挙開票結果に数値で出てくることであって、石破政権は、これをヨシとする国民を味方につけて政治を行えばよいのである。民主政治とは、最大多数の弱い民衆の幸福と生存のためにあることを肝に銘じてやってもらいたい。

政治には親分も子分もない、という話

2024年10月07日 07時46分44秒 | 政治
 「石破茂元幹事長が悲願の勝利を手にした自民党総裁選では、候補者9人が乱立し、めまぐるしく状況が変わるなか、有力者らが<勝ち馬>に乗ろうとうごめいた。なかでも、決選投票で敗れた高市早苗氏を支援した麻生太郎副総裁(衆院福岡8区)と、長年麻生氏と対立関係にあり、石破氏支援に回った武田良太氏(同11区)とで明暗が分かれた。中央政界での影響力を背景に地元でも権勢を誇ってきた麻生氏のつまずきは、権力闘争が続く福岡政界の地殻変動につながるか」(2024/09/30毎日新聞)
 いやいや、これは暴力団の勢力争いとなんら違うところがない。「この賭場は俺の組が開帳しているんだ。どいてもらおう!」、「とんでもねえ、ここは俺らが最初に始めた賭場じゃ! おめえらに指一本触れさせるもんじゃねえ」・・・なんて、親分同士が言い争っている場面だ。
そこはそれ、お偉い国会議員のご両人だから、上のような博打場の開帳争いというのではなくて、ここは一党一派の長(おさ)を決する選挙に、2人の共に天を戴くことのない不倶戴天の大政治家お二人が、配下の子分たちが誰に投票するべきかを命ずるについての勢力争いの場面ということであるらしい。
これを民主主義の原則に立ち返って判ずれば、福岡県下の自民党員らは最終決戦で麻生親分が推す高市早苗氏に軍配を上げ、武田氏が推した石破茂氏は敗北して、1県1票の票としては高市氏に当たりを着けたのである、らしい。
博打というものは何でも勝ち負けのルールを着ければどこでもやれる。サイコロ一個でやる博打をチョボイチ、2個でやれば「丁半」、三つでやるのもあってそれを「キツネ」という。(こういうことは学校では教えないが、筆者は志ん生師匠の落語で存分に教わった)。まさにこの博打よろしく福岡では党員チョボイチサイコロで親分が当たりを点けて博打をやるのであるらしい。そう言えば最強最悪の暴力団も福岡県に有ったのを思い出した。
丁半博打と違って、民主主義については学校で教わる。そこでは自由な意思によって賛否を意思表示し、その数の多・少によって民衆の意志が決せられることになっている。親分の言いなりにサイコロを振るようなことは民主主義のルールには無い。そしてそこには親分やら子分やらの上下の関係すらも存在しはしない。
「無法松」の時代から約100年、こと政治にかぎれば未だに少しも進歩も進化もしていない筑前・筑後国! 犯罪発生率も半端じゃない。