JR東海の 第30回定時株主総会(広報ページ)が6月22日に開催されました。
その様子を報じた記事がNHKや毎日新聞にもありましたが、JR東海の株主総会「リニア開業間に合うか」株主が質問(名古屋テレビ 2017年6月23日)に注目しましたので引用しておきます・・・
株主からの「リニアの2027年の開業は間に合うのか」との質問に対し、経営側は「余裕のない厳しい工程だが、全力で計画を進める」と説明しました。
毎日新聞愛知県版は 「東海道・山陽新幹線の停電事故 JR東海副社長が陳謝」とタイトルで、「総会では、2027年に東京・品川-名古屋を先行開業するリニア中央新幹線の建設に関する質問が株主から出た。」とのみ報じていました。
NHK名古屋では 「JR東海 新幹線架線切れで陳謝」 の事だけでした。
工期10年の問題について株主がどこまで専門的な知識があるのか知りませんが、土木事業としてリニア中央新幹線の工期10年が妥当な見積りだったのかどうか、私にはわかりません。
「リニアの2027年の開業は間に合うのか」という質問は何を根拠にどんな疑問から発せられたのか、私はそれを知りたいです。
JR東海の株主さん達はリニア中央新幹線事業の状況について、どんな情報を見ておられるのか。
鉄道・運輸機構法を改定して財政投融資資金による3兆円融資が決まりましたが、昨年度に1.5兆円が貸付済み、今年度は5月には7500億円の貸付けがされたことはリニア事業に関心ある皆様はご承知のとおりです。
貸付に関する公開文書には返済計画も記載されていますが、工期が延びて開業が遅れたら返済源資も厳しくなる。財政投融資は名古屋~大阪開通の前倒し前提でしたから、その縛りもJR東海財務に響くでしょう。
質問された株主さんは色々懸念されたのかも知れません。
だからといって沿線各地の発生土処理やトンネル工事による水利破壊やウラン鉱床通過問題等など山積する課題をおろそかにして工期厳守が可能かどうか、私は知りません。国民を黙らせることは出来ても自然相手では共謀罪も役に立ちません。
株主さんでも2027年開通を心配する人がおられる、いわんやリニア新幹線で地域活性化を目指す自治体においておや。
・・・ということで、この記事はカテゴリー「街づくり」
JR東海広報の 「第30回定時株主総会招集ご通知」 からリニア中央新幹線について述べられているテキストを以下に引用しておきます。これをお読みになればリニア推進の皆様もご安心かと・・・(改行の編集は引用者です)
・超電導リニアによる中央新幹線計画につきましては、健全経営と安定配当を堅持し、柔軟性を発揮しながらプロジェクトの完遂に向けて着実に取り組みます。
引き続き、地域との連携を密にしながら、測量、設計、用地取得等を計画的に遂行するとともに、工事については、工期が長期間にわたり難易度が高い、南アルプストンネル、品川駅、名古屋駅をはじめ、必要な準備が整ったところについて、工事の安全と環境の保全を重視し、トンネル掘削、地中連続壁工等の各種工事を着実に進めます。
また、中央新幹線の高度かつ効率的な運営・保守体制の構築に向けて取り組みます。
さらに、資金面では、中央新幹線の建設の推進のため、財政投融資を活用した長期借入について、平成28年度から2年間で予定していた3兆円のう ち、平成29年度は残りの1兆5,000億円の借入を進めます。
一方、山梨リニア実験線において、営業線仕様の車両および設備により、2編成を交互に運用して、引き続き長距離走行試験を実施することなどにより、営業運転に対応した保守体系の確立に向けた実証等を進めるとともに、さらなる超電導リニア技術のブラッシュアップおよび営業線の建設・運営・保守のコストダウンに取り組みます。
また、「超電導リニア体験乗車」を引き続き計画的に実施するとともに、会社発足30周年の取組みとして、体験乗車付き子供学習教室を実施いたします。
ついでですが、上に書かれている実験線での保守体系確立には非常口避難訓練について実験線地元の行政が関与し支援していることを国民に知らしむことでリニア新幹線への信頼と期待が益々大きくなるでしょう。
丁寧な説明を、明確な情報発信を、地元行政には期待したいと思います。