樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

五三の桐

2007年12月05日 | 木と文化
日本の家にはそれぞれ家紋があります。私の実家は丸に梅鉢。
梅も含めて、家紋のモチーフにはいろんな樹が使われています。最もポピュラーなのは、五三の桐でしょう。

               

大きな葉の上の中央に5つ、左右に3つ描かれているものについて、家紋の本などには「花」とか「実」とか書いてありますが、キリは花も実も下向きに垂れるうえに形が少し違います。上向きでこの形は蕾ではないでしょうか。もしそうなら、蕾をモチーフにした先人のセンスに脱帽します。
日本のパスポートには、表紙に菊の紋が、顔写真を貼るページには五七の桐が印刷されています。どちらも皇室の紋とされていますが、桐は後醍醐天皇が紋に選んだのが始まり。
その後、足利尊氏に下賜して以来、天皇が臣下に与えるという慣行が生まれ、下賜された武士がさらにその家来に与えるということが重なって、多くの家で桐の紋が使われるようになったようです。

       
     (キリの葉はホオノキより大きく、単葉としては日本最大…私の説)

パスポートを発行している外務省によると、日本政府としての正式な紋章というものはなく、慣例的に桐紋を使っているとか。また、内閣府によると、桐紋は代々天皇家が使ってきたものの、明治21年の宮内省告示で使用制限がなくなり、以来、大臣の表彰状などに桐紋を使っているそうです。
みなさんのお家の紋は何ですか? 樹の家紋の方はいらっしゃいますか?
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

屋上庭園

2007年12月03日 | 樹木
楽天イーグルスの野村監督は、私と同じ丹後の出身。監督が現役時代に活躍したのは、南海ホークス(現ソフトバンク)です。
その本拠地であった大阪球場は、現在「なんばパークス」という複合商業施設になっています。そういう賑やかな場所に行きたい方ではないですが、先日初めて足を伸ばしてきました。目的は屋上庭園。

       

最近はヒートアイランド対策や省エネのために屋上緑化が進められています。東京の六本木ヒルズには田んぼまであるそうですが、なんばパークスの屋上庭園もけっこう大規模です。
3階から9階まで高さの違う屋上がそれぞれ庭園になっていて、階段状に並んでいます。1万㎡の庭園に300種、7万株の樹木や草花が植栽されているそうです。

       
          (都心の天空に、土が露出した子ども広場もあります)

貸農園もあって、2坪で月額3,150円、土壌改良代も入れると1年間で5万円強。それでも20区画がすでに満杯です。都心の屋上で野菜を作るって、どうなんだろ~?

       
         (サンショの葉を大きくしたようなシマトネリコの葉)

樹木で目についたのは、シマトネリコ。沖縄など亜熱帯原産の常緑または半常緑の樹です。最近、マンションやビルの緑地に植えてあるのをよく目にします。一時のアメリカハナミズキのように、ただいま人気上昇中のようです。

       
             (白いのは花ではなくて実)

柳みたいに枝葉が少し垂れるので印象がソフトで、何となくエキゾチックだからでしょうか。ちょうど今ごろ、たくさんの実が成り、遠くから見ると白い花のように見えます。
庭園の一角に設けられた「南海ホークス・メモリアルギャラリー」には、リーグ優勝12回、日本一2回という名門チームの思い出の品々が展示してありました。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする