樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

お箸のオーダーメイド

2007年12月17日 | 木と飲食
これまで割り箸について2回記事を書きましたが、今日は塗り箸のお話。
京都に「日本で唯一の誂え御箸専門店」があります。名前は「京都おはし工房」。30年以上前、私が社会人になったころ住んでいた町にあるので、懐かしさを楽しみながらブラブラ歩いて訪ねてきました。
小さなお店ですが、窓にはいろんなお箸の材料が展示してあります。仕事で他のお箸専門店を取材したことがありますが、材料となる木をきちんと展示している店は初めてです。こういうのに弱い私は、それだけで魅入られました。

       
     (珍しい樹種の木材サンプル。こういうのを見るとワクワクします)

買うつもりはなかったので、最初は外観だけ見て帰ろうと思っていましたが、その多彩な木材のサンプルにつられておじゃましました。中に入ると、お箸と箸置きと箸箱のサンプルが壁面いっぱいに並んでいます。材料は、竹も含めて100種類以上あるそうです。
こんなブログを続けているくらいなので、私はいろんな木材を見ている方だと思いますが、それでも初めて名前を聞く木や、名前は知っているけど見たことない木がけっこうありました。中でも、ピンクアイボリーというアフリカ産の木は聞くのも見るのも初めて。こんなに鮮やかな色の木材があるんですね。

       
         (ピンクアイボリーはまさに鮮やかなピンク色)

このほか、蛇紋木(スネークウッド)という南米産のクワ科の木も初対面。珍しい木で、お箸にすると1膳3万円。また、以前ご紹介した「世界一重い木」リグナムバイタのお箸や、ギターの裏板に使うハカランダ(ブラジルのローズウッド、現在は輸出禁止)のお箸もありました。
100種類以上から好みの木を選び、形状(四角形とか八角形など)や漆の塗り方を選べば、性別と身長に合わせて持つ人にぴったりのお箸を誂えてくれます。
ここのお箸は先がシャープなのでゴマ粒や魚の小骨も簡単につまみ取れ、イカの刺身なども滑らずに食べられるそうです。食器としての使いやすさや安全性にこだわり、スイスの時計職人と同じ気概でお箸を作っておられます。

       
     (お箸と箸置き、箸箱のサンプルが壁一面に展示してあります)

私はいま使っているお箸が気に入っているので、しばらく注文する機会はないですが、このお店のホームページを読んでいるだけでもワクワクしてきます。私が言うのもおこがましいですが、木の説明も正確です。よく唐木のカリンと実のなるカリンを混同して説明しているサイトがありますが、きちんと分けて説明されています。
お箸を誂えたい方はこちらへ。ただし、現在は完成まで1年待ちだそうです。
コメント (4)
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