樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

白樺に書いたラブレター

2007年12月10日 | 木と歴史
『トロイカ』というロシア民謡をご存知ですか? 「トロいイカ」じゃないですよ、ロシアのソリですよ。
「♪雪の白樺並木 夕陽が映える 走れトロイカ~」という歌詞がスラスラ出てくるのは、私より上の世代でしょうね。
ロシアには白樺の森が広がっているようですが、フィンランドに近いノヴゴロドという町で、白樺の樹皮に文字を書いた14世紀の文書がたくさん発見されました。白い樹皮の表面に、ピサロと呼ばれる鉄筆で古代ロシア語が記されていたそうです。
遺言状、契約書、嘆願書など1000通以上の文書が残っており、中には女性が書いたラブレターもいくつかあったそうです。私は「白樺のラブレター」という点に注目しましたが、学者は中世の一般の女性が文字を書いた点に注目しているようです。

       
                (霧ケ峰高原のシラカンバ)

鳥見ツアーで訪れた信州では、シラカンバ(植物学的にはシラカバではなくシラカンバ)やダケカンバをたくさん見てきました。幹にも触ってきました。ツルツルした気持ちのいい感触で、私の知る限りいちばん滑らかな樹皮です。シラカンバの樹皮は文字通り白いし、表面が滑らかなので、きっと文字が書きやすかったのでしょう。
カバノキの英名Birch(バーチ)は「樹皮に文字を書くことができる木」という意味のサンスクリット語に由来するそうですし、北米にはPaper Birchというシラカンバもあるそうです。カバノキの樹皮は世界的に紙として使われていたということですね。
「白樺文書」の画像を見たい方はこちら(書籍の表紙です)。
コメント (3)
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