樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

お隣の大切な花

2006年07月11日 | 樹木
散歩をしていても、車で走っていても、ムクゲの花が目につきます。いよいよ、本格的な夏ですね。
ムクゲは漢字では「槿」、木偏に菫(すみれ)と書きますが、花がスミレに似ていますか? 

      

この樹は、中国原産というのが定説ですが、日本に移入されたのはかなり昔で、10世紀頃の和泉式部の歌にすでに登場します。当時は「はちす」と呼んでいたようで、「さなくても さびしきものを 冬くれば はちすの垣も かれがれにして」と歌われています。
芭蕉も「道の辺の むくげは馬に 喰われけり」と詠んでいます。「ただでさえ1日しか咲かない花なのに、自分が乗っている馬が食べてしまった」という句です。

朝鮮半島にも古くに中国から渡ってきてあちこちに植えられたようで、昔から朝鮮は「槿域」とか「槿花の郷」と呼ばれていたそうです。韓国の国歌には「無窮花(=ムクゲ)三千里 華麗なる江山」という一節がありますし、ムクゲは国花にもなっています。
最近、外交関係がギクシャクしていますが、お隣の国の大切な花くらい知っていた方がいいですね。
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2 コメント

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Unknown (guitarbird)
2006-07-11 20:51:38
こんばんわ、guitarbirdです



ムクゲはうちの庭にも2本あります。

お向かいにも、その隣りにもあります。

日本に元々なかったのは知っていましたが、

そんなに古くからあって親しまれているのは、知りませんでした。

いつも勉強になります、ありがとうございます。



で、実は私は、ムクゲがあまり好きではありません。

花が散るとぼとっとそのまま落ちるのが、なんとも風情がなくて・・・
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家には (fagus06)
2006-07-12 08:49:44
ムクゲはありませんが、散歩コースにあるムクゲは確かに、ツバキみたいに花のまま落花していますね。

朝咲いて夕方には散るとか、1日しか咲かないと言われていますが、実際はどうなんですか?

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