樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

コロニーの観察

2024年06月13日 | 樹木
先週の土曜日、「初心者探鳥会in宇治」を開催しました。京阪宇治駅でコシアカツバメのコロニー(集団繁殖地)を観察した後、すぐ近くにある陵墓でサギ類の混合コロニーを見てもらおうという趣旨です。
当ブログでも何度かご紹介しましたが、京阪宇治駅は駅舎として初めてGマークを取得したユニークな建築物で、開口部がたくさんあるので鳥が自由に出入りできます。加えて、すぐ横が宇治川なので巣材や餌が豊富にあり、コシアカツバメにとっては正に楽園。毎年、30~40個の巣を造り、集団繁殖しています。以下は2日前の下見の際に撮影したもの。



壁や梁は糞で汚れる上に、アマゾンなどの集配ロッカーも糞だらけになるので、繁殖が終わると巣を撤去したり、清掃しなければならない駅にとっては災難でしょう。
宇治駅から歩いて5分の所に宮内庁が管理する陵墓があり、その森がサギの混合コロニーになっています。コシアカツバメは単一の種類が集団繁殖するコロニーですが、こちらはアオサギやダイサギ、チュウサギ、コサギなど複数の種類が集団繁殖する混合コロニー。こういう例は珍しく、サギ類以外ではアジサシ類くらいのようです。



初心者対象の探鳥会でしたが、「最近少なくなったゴイサギを見たくて」というベテラン会員も参加されました。また、終了後に会員メーリングリストに発信した私の報告を見て、京都市北部からわざわざ宇治へ来て、「コシアカツバメやゴイサギを久しぶりにじっくり見られました」とコメントをくれたベテラン会員もいました。
私にとっては身近な探鳥地で、それほど珍しくはなく、じっくり見られるので初心者向きと思っていましたが、ベテランのバードウォッチャーにも魅力のある探鳥会のようです。来年もやるか?
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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (guitarbird)
2024-06-13 10:58:22
こんにちは
駅舎のコロニーいいですね。
そもそもコシアカツバメを見たことがないので見てみたいです。
ところで、ゴイサギ最近減ったと感じておられる方がいらっしゃるのですね。
たまたま一昨日、岡山から来た人と鳥の話をしていたところ、その方もゴイサギが最近減ってきていると話していたので、そこに反応しました。
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Unknown (kazuyoo60)
2024-06-13 11:01:21
コシアカツバメ、集団ともなれば、やっぱり被害もですね。サギのコロニーも同様でしょう。数種の大きな鳥の営巣ですから、よほど良い場所なのですね。
個々へ来れば出会えると分かった方達には好都合ですね。参加者もきっと望まれるのでは?。
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guitarbirdさんへ (fagus06)
2024-06-13 13:52:46
そうか、コシアカツバメは北海道には分布しないんですね。ツバメも南部だけですか?
ゴイサギについては、バードリサーチの発表では、レッドリスト非掲載種の中では、2010年代を1990年代と比較して減少率が第3位とのことです。
「最近、見る機会が減ったな~」という実感は、少なくとも関西のバードウォッチャーの間では共通のようです。
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kazuyoo60様 (fagus06)
2024-06-13 13:56:41
京阪宇治駅には申し訳ないことですが、私たちは楽しませてもらってます。
サギのコロニーは立入禁止になっている森で、被害をこうむる人はいないので大丈夫とは思いますが、近所の人は「声がうるさい」と思っているかもしれません。
このあたりは、私の散歩コースのひとつで、サギのコロニーを眺めながら体操しています。
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Unknown (guitarbird)
2024-06-15 08:18:43
ふたたびですが、北海道、ツバメは後志以西以南では普通にいますが札幌市内ではまだ見られることがあるくらいで、定着したとはいえないほどです。
小樽に行くといるのでこの30km弱が意外と大きいようです。
ゴイサギの件ですがお話ありがとうございます。
バードリサーチは私も入っているのでもっと情報を活用しようとも思いました。
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