樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

木の計算機

2008年02月11日 | 木の材
小学生の頃、私は苦手だったのでパスしましたが、クラスの友だち何人かはソロバン塾に通っていました。計算機のお陰で不自由はしないものの、今でも暗算の速い人を見ると劣等感を覚えます。ソロバンには全く興味ありませんが、その材料には興味があるので調べてみました。

       
          (材質が分からないくらい使い古されたソロバン)

まず、珠。材料の条件は、①重い、②割れない、③伸縮しない。あまりに重いと速算に不向きなので、ツゲ、カバ(ミズメ)、ヒイラギなどが適しているとか。弾いた時の音や重量感はツゲが最高だそうです。ツゲは櫛や将棋の駒にも使われる高級材です。
一方、枠材の条件は、①色が黒い(珠に集中できるから)、②重い(=動かない)、③珠の弾きや返りを吸収する。具体的には、コクタンやシタンといった唐木、国産材ではイスノキやマカンバ(ダケカンバ)などが使われているようです。イスノキは国産材ではカシ類とともに最も重い木で、水に沈みます。

(イスノキは葉に虫こぶがたくさんできるのが特徴)

ソロバンが苦手な私は、計算もせずにチャカチャカと楽器にして遊んでいました。そう言えば、ソロバンを楽器にしたトニー谷というボードビリアンがいましたっけ。計算には使わなかったでしょうが、最高級のソロバンをあつらえていたんでしょうね。
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4 コメント

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ありがとうございます (guitarbird)
2008-02-11 18:01:24
こんにちわ
算盤ですが、偶然にも数日前、私のブログの書き込みで
他の方が算盤と書いていたのに返答して、材が何か、以前本を読んだけど
忘れてしまいました・・・と書いていたところでした。
ありがとうございます!
珠はツゲというのはかすかに頭に残っていました。
枠はダケカンバも使われるのですね。
昨日、一昨日と行った場所はダケカンバもたくさんありましたが、
最近ダケもよく見るようになったので、樹皮でシラカンバとの違いが
なんとなく分かるようになりました。
それからトニー谷は、私の友達がHNをトニーとしているように、
友達が尊敬する人です。彼は戦前から戦後の昭和歌謡が得意ジャンルです(笑)。
私たちが使っていた (fagus06)
2008-02-12 09:11:51
細長いソロバンは、多分もっと安い木材を使っていたのでしょう。珠はカツラとかホオノキなどではないでしょうか。
写真のソロバンは近くの小さな博物館の「昔の暮らし」という展示にあったものですが、よく見ると五つ珠です。私たちが使っていたのは、確か四つ珠でした。
今でも小学校でソロバンなんか習うのでしょうかね?
イスノキ (bulbul)
2008-02-12 22:34:20
 イスノキの材の使い道って知らなかった。枯れてだいぶなりますが庭にありました。よく虫えいで遊びました。もっともっと昔ご先祖さまの一人に陶器をやってる人がいてこの木を釉薬に使ってたみたいな話しを聞いたことがあります。
イスノキは重くて硬いので (fagus06)
2008-02-13 08:14:58
確か、最高級の木刀にも使われているはずです。
私は「椅子の木」が語源かと思っていましたが、そうでもないようです。
釉薬にもいろんな木の樹皮や根や葉が使われていたようですね。そうですか、bulbulさんのご先祖は陶工だったのですか。

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