樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

龍の樹

2009年02月18日 | 木と文化
先日テレビで、「中国人バイヤーが日本の植木産地でイヌマキを買い漁っている」という話題を放送していました。
刈り込んで玉仕立てにしたイヌマキが龍に見えるので、中国では縁起のいい樹として人気が沸騰しているというのです。千葉県の匝瑳市(そうさし)は植木の大産地で、特にイヌマキの栽培で有名だそうです。市の木にもイヌマキが選定されています。

       
       (関西の植木産地、宝塚市にもイヌマキ専門業者があります)

中国人バイヤーは匝瑳市の植木業者を訪れて次々に買い占め、いい樹が入手できない時は民家の庭のイヌマキに目をつけて買い取ったそうです。1回の買付けで1億円もの取引があったものの、最近は景気後退の影響でさっぱり売れなくなったとか。
うちの近所にも庭にイヌマキを植えている家が数軒あります。そう言えば、ほとんどが玉仕立てになっています。

       
          (近所にある玉仕立てのイヌマキ。龍に見える?)

昔はスギを「真木」と呼び、それより少し劣っているという意味で「犬真木」と呼んだそうです。現在は「マキ」と言えば「コウヤマキ(高野槙)」を指す場合が多く、コウヤマキとイヌマキは樹皮や葉が似ていますが、植物学上は別の科に分類されています。
イヌマキはちょうど今頃、赤と緑の2色団子のような実をつけます。先日、京都御苑を歩いていたら、イヌマキの実がいっぱい落ちていました。

       
              (2色団子みたいなイヌマキの実)

緑色の方は有毒ですが、赤い方は食べられます。ほんのり甘くて、ゼリーのような食感。この時も2~3粒食べました。
庭にイヌマキが植えてあるお宅は、景気が回復したらまた中国人バイヤーが高値で買い取りに来るかも知れません。大事に育てた方がいいですよ~(笑)。
コメント (4)
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