樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

なんちゃってレスポール

2009年02月06日 | 木と楽器
今は手放して残っていませんが、以前はアコースティックギターを2本とエレキギターを1本持っていました。エレキギターはレスポール・モデルのコピー版。オリジナルはアメリカのギタリスト、レス・ポールがギブソン社と共同開発した人気モデルで、現在も多くのプロミュージシャンが使っています。
その“なんちゃってレスポール”を友だちに譲ったところ、彼はその後エレキギターにはまり、遂にファミリーバンドを結成してコンサートを開くまでになりました。もともと大学の交響楽団でバイオリンを弾く傍ら、ジャズバンドでドラムを叩いてた奴なので音楽万能なんでしょう。
彼の事務所にはそのレスポールが置いてあるので、久しぶりに対面して写真を撮ってきました。ピックガードは取り外し、ピックアップ(マイク)も1台取り替えたようです。

                   
              (元・私のなんちゃってレスポール)

このギターの生みの親レス・ポールは現在93歳ですが、驚いたことに、補聴器をつけながらいまだに現役プレーヤーとしてニューヨークのクラブで演奏しています。
また、ミュージシャンとして唯一人「発明の殿堂」に入っています。ソリッド(空洞ではない)タイプのエレキギターの考案者であると同時に、多重録音の開発者として音楽業界に貢献したからです。
先日、そのドキュメント映画『レス・ポールの伝説』が上映されたので観てきました。映画では、最初は鉄道のレールに弦を張ってソリッドギターを作った話が出てきます。別のインタビューでは、「レールは重くて演奏しにくいから木を使うことにした。初めは軽い木を使ったが、反響して音が悪いので最も密度の高いメープル(カエデ)を使った」と語っています。

       
     (なんちゃってレスポールのボディも表板はメープル。杢目はなし)

現在のスタンダードモデルも表板はメープルで、裏板はマホガニー。表板15mm、裏板45mmの厚みが最もいい音になるそうです。この15mmのメープル材は当時の製材の規格外だったので、ギブソン社は材料の確保に手こずったとか。
また、メープル材にはさまざまな杢目が出るため、その模様によって希少価値が生まれ、現在ではビンテージものに数千万円の値段が付いています。

       
          (なんちゃってレスポールの指板はローズウッド)

元・私のなんちゃってレスポールも表板はメープル、裏板はマホガニー。もちろん、樹種は同じでも品質は月とスッポンでしょうが…。オリジナルは指板もマホガニーですが、なんちゃってはローズウッド。
もともと下手の横好きで弾いていた程度なので手放しましたが、聴く方は相変わらずエレキギターの音楽が好きです。でも、好みの音はGibsonのレスポールからFenderのストラトキャスターに変わりました。
映画『レス・ポールの伝説』の公式サイトはこちら
コメント (6)
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