樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

磁石の樹

2007年03月26日 | 樹木
わが家のハクモクレンが先週から開花しています。
先日ご紹介したコブシもモクレン科ですが、この仲間は花を北向きに咲かせることが多いです。蕾から開花の段階で、暖かい陽射しを受ける南側の成長が早いので、花が北向きに反るのです。
こういう植物を英語ではコンパスプラントと言うそうで、日本でもコブシやタムシバを「磁石の樹」と呼ぶ地方もあるとか。ネコヤナギも同じように蕾が北向きになります。
植えた環境によっても違いますし、うちのハクモクレンにも少し南を向いている花もありますが、近所のモクレンもほとんどが北向きに開花しています。

      
        (玄関に植えたハクモクレン、右が北)

樹が示す方角と言えば、みなさんは「切り株の年輪の細い方が北、太い方が南」と思っていませんか? モクレンと同じで、陽の当たる南側の成長が早いから年輪も太くなる…。私も数年前までそう信じていました。
ところが、これは間違い。平坦な地面なら、年輪は東西南北に平均して刻まれるそうです。斜面に生えている場合、針葉樹は谷側の年輪が、広葉樹は山側の年輪が太くなるのだそうです。風などで樹が傾いた場合も同じです。
「山で方角が分からなくなったら年輪で確かめろ」と教えられましたが、これはあてにはなりません。私が読んだ樹木医の本には、陽当たりのいい南に開けた場所でキャンプをするケースが多いので、斜面にあるスギやヒノキの切り株を見てそういう誤解が生まれたのではないか、と書いてありました。今度、山で確かめてきます。
コメント (6)
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