樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

世界一太い樹

2007年03月09日 | 樹木
前回の「世界一高い樹」とのセット企画で、今日は太い方。
ギネスブックに登録されている「世界一太い樹」はメキシコにあります。トゥーレという村にあるヌマスギで、幹周りは57.9m。この樹は何本かの樹が合体しているのではないかという疑問もあったらしいですが、それぞれの枝をDNA鑑定したところ同じ遺伝子だったそうです。すごいですね~。

         

写真は、私がよく訪れる大阪市立大学理学部附属植物園に植えてあるメキシコヌマスギ。世界一太い樹と同じ種類ですが、こちらの幹周りは3mくらい。
ちなみに、この植物園は自然の森や山をそのまま生かしながら各種の樹木園が配置されていて、私がいちばん気に入っている植物園です。宇治市と大阪市の間の交野市という所にあります。

      
         (ヌマスギは落葉針葉樹)

これとは別に、文献上での「世界一太い樹」もあります。『昆虫記』で有名なファーブルは『植物記』や『植物のはなし』も著していますが、その中にイタリアのシシリー島にある大きなクリの樹の話が出てきます。ある女王が山で嵐に会い、護衛の騎士100人と共にこの樹の下で難を避けたので「馬百頭のクリの樹」と呼ばれているそうです。
30人が手をつないでも幹の周りを取り囲めなかったとも書いてありますから、人間が手を広げた長さを2mとすると約60mの幹周り。メキシコヌマスギと同じくらいの太さです。また、根元は空洞化して貫通しており馬車2台が通れたそうで、ファーブルは「これが世界一太い樹だろうと」書いています。現在もこのクリが残っているのかどうかは不明です。
ついでながら、日本一太い樹は鹿児島県蒲生町にあるクスノキで、幹周り24.2m。この通称「蒲生の大楠」は樹齢1600年だそうです。
地球上で最も大きな(あるいは最も重い)生物は、このメキシコヌマスギか前回ご紹介したセンペルセコイアでしょう。ゾウもシロナガスクジラも、巨木にはかないません。
コメント (2)
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