樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

チョ~ン!

2007年03月12日 | 木と楽器
子どもの頃、「マッチ1本火事の元、火の用心!」と言いながら拍子木を打ち鳴らして夜回りしたことがあります。紙芝居のおじさんが鳴らしていたのを覚えている方もいるでしょう。今はほとんど見かけませんが、大相撲や歌舞伎で使われる拍子木の音をテレビなどでたまに耳にします。

      

上の写真は消防団員の友人に送ってもらったもの。現在も夜回りに使っているそうで、かなり使い込まれていますが、新しい拍子木よりもいい音がするとのこと。
拍子木にもいろいろ種類があって、この夜回りに使われるのはシラカシ製。硬くて重い材質なので、木刀やカンナの台などにも使われます。歌舞伎で使う拍子木もシラカシで、樹木の産地まで指定されているそうです。
カシと言えば関西ではアラカシ、関東ではシラカシを意味するくらい分布が異なるため、私も自生のシラカシは見たことありませんが、関西でも街路樹やマンションの緑地などによく使われています。

      
        (大阪の本町通りの街路樹もシラカシ)

大相撲で使われる拍子木はヤマザクラ。カシの拍子木は金属的な乾いた音がする一方、サクラは染みるような澄んだ音がするそうです。
歌舞伎や相撲など日本の伝統文化の中では、拍子木のことを「柝(き)」と呼び、打ち鳴らすことを「柝(き)が入る」と言います。
拍子木の断面は正方形ですが、どの面で打っても同じ音がするわけではなく、それぞれに振動数が違うそうで、2本の相性によっていい音と悪い音があるそうです。
シラカシやヤマザクラのほか、紫檀や黒檀など高価な材料で作った拍子木もあります。
コメント (8)
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