樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

落葉しない落葉樹

2007年01月30日 | 樹木
下の写真は庭のカシワです。5月に「わが家の大名」としてご紹介しました。
ご覧のように、茶色く紅葉していますが葉は落ちていません。カシワは分類上は落葉樹ですが、落葉せずに冬を過ごすのです。

         
         (紅葉しても落葉しないカシワ)

落葉樹は寒くなると葉緑素が分解されて紅葉し、その後、普通は葉と枝の間に離層という層が形成され、酵素が細胞を溶かして葉が落ちるのですが、カシワはその働きが弱いようです。
こうした「落葉しない落葉樹」は他にもあって、よく知られているのはクヌギ。下の写真は近くの茶畑の脇に植えられているクヌギです。カシワと同じように茶色の葉をつけたまま冬を越します。
でも、散歩コースで見る別のクヌギの巨木は落葉しているので、落葉しないのは若い樹だけかも知れません。

         
         (クヌギも落葉しない落葉樹)

「落葉しない」と言っても、いつまでも葉をつけているわけではありません。春になって若葉が出てくると、それに押し出されるように落葉します。
カシワやクヌギはブナ科の樹木。このグループには常緑樹のカシ類があるので、その性質を受け継いでいるのではないかという説もあります。そう言えば、ヤマコウバシという樹も「落葉しない落葉樹」ですが、このグループのクスノキ科の中にも常緑樹があります。

      
      (いつまでも枝にへばりついているヤマコウバシの葉)
コメント (2)
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