樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

柿の色

2007年01月11日 | 木と作家
みなさんはお正月に干し柿を食べられましたか? 私はいつもの干し柿が食べられませんでした。伯母が毎年送ってくれていたのですが、年末に「今年はいい柿が手に入らなかったから、あんたに送れるほど作ってない」と電話があってガックリ。
伯母の干し柿のうまいこと! 大きくて、ずっしり重くて、外は粉を吹いて少し硬いけど、中はゼリーのように柔らかくて、とっくり甘い・・・。結局、今年はスーパーの干し柿で我慢しました。
写真の柿の木は、私の家から歩いて5分くらいの所にあります。茶畑や野菜畑、小さな田んぼがあって、その中にぽつんと1本・・・。田舎育ちのためか、こういう風景を見るとホッとします。いいでしょう? 俳句の世界ですね。

      
      (撮影は12月。現在は実がすべて落ちています。)

有田に柿右衛門という陶芸家がいますが、つい最近まで、その名前がこの柿に由来することを知りませんでした。本名は喜三衛門というそうですが、あまりにも美しい柿の色を表現したので、藩主の鍋島侯から「柿右衛門」という名前をもらったそうです。
何でも、喜三衛門の庭の柿の木に夕陽が当たり、すずなりの赤い実が珊瑚のように輝いたのを見て、その美しい色を焼物に表そうと何年も苦心したそうです。
私は焼物の知識はないですが、柿の色に魅せられた喜三衛門の気持ちは想像できます。赤というか朱色というか、初冬の空に映える柿の実は美しいです。
来年は伯母の干し柿が食べられますように・・・。
コメント (4)
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