ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

奈良盆地へ供給…東西分水工

2022-08-16 06:59:31 | 奈良(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。今回は奈良県御所市樋野(ごせし ひの)にある東西分水工を目指します。これはダムでも堰堤でもありませんが、この地域での重要な水関連施設なので訪れた次第(詳細については後述)。アクセスは和歌山線と吉野線が乗り入れている「吉野口駅」の北東に位置し、御所市葛小中学校の脇の細い道を登っていくと到着します。

どうやら、これのようです。



近くには「国営十津川紀の川土地改良事業の概要」を示す案内板があります。



この場所、すなわち東西分水工の概要を転記すると次の通り。

「国営十津川・紀の川土地改良事業及び国営大和平野土地改良事業は昭和25年6月奈良・和歌山両県との間で合意された吉野川分水協定に基づいて昭和27年から農林水産省が工事を進め大和平野地区については昭和48年に工事完了し、既に奈良盆地の農業用水の補給と水道用水のために役立ててきました。
 目の前にある施設は、この事業によって紀の川水系に新設した津風呂(つぶろ)ダム・大迫(おおさこ)ダム・下渕(しもぶち)頭首工を○用することによって吉野の美しい水を新設したトンネルにより導水し、これから先奈良盆地の東西幹線水路に通水するための分水口(工?)であります。向かって左へカーブしているのが西幹線水路、真直ぐ行くのが東幹線水路であり、分水工手前、左側に流れる水は奈良御所浄水場へいくものであります。 昭和54年2月」(○は解読不能)

要するに吉野川に設置された下渕頭首工から分水してきた水は大和平野の農業用水として供給されるのですが、より広い地域に供給するため水路は東幹線水路と西幹線水路に分かれます。その分岐点となるのがここ東西分水工というわけですね。

案内板の前には管理所らしき建物があります。でもそれを示すプレートなどはありません。



では水路に向かいます。階段を下りていくと下渕頭首工から導水されてきた水路を見ることができます。



その水はここで東西の幹線水路に分かれます。



この場所は大迫(おおさこ)ダムからは49.6km、津風呂(つぶろ)ダムからは17.7km、下渕頭首工からは5.2kmの距離にあるそうです。大迫ダムの下流には大滝ダムがあるのに載っていないのはこのプレートを作成した時点ではまだ完成していなかったからでしょうね。



そこから西幹線水路に沿って行くと「吉野川分水」の説明図があります。この説明図が作られたのは2018年4月なので、さすがにここには大滝ダム(2013年竣工)も載っています。



吉野川の下渕頭首工から東西分水工の開通により奈良盆地(大和平野)の農業用水は安定供給されるようになったというわけですね。きっと「吉野川様、ありがとう!」といった感じなんでしょうな。
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