田舎の病院、それもそこそこの入院設備の整った病院の病棟には老人がいっぱい。基本的には治療のための病棟なのですが、むしろ老人ホームと化しています。だから入院患者の大半はお年寄りばかり。若い入院患者なんてほとんど見ません。
病棟に行けば、どこもかしこも老人ばかり。それも半数以上は介護を必要とする人で、痴呆がかなり進行している人もいます。申し訳ないけれど、その光景は想像を越えた世界。
「ぅお~い! ぅお~い!……」
寝ている時以外、絶えず呼び続けるジイさん。それが一種の「発声練習」となって、声が通るったらありゃしない。病棟中に響き渡るので、通常の神経をもつ患者なら頭がおかしくなってしまうかもしれません。でもそこに入院している患者さんたちは何食わぬ顔をしている。う~む。
「あの、ちょっとお願いがあるんですが…」
病棟の廊下を歩いていたら、車いすに乗った老女に呼び止められました。
「はい?どうしました?」
「私、あの病室なんですけど、連れて行ってもらえますか?」
「ええ、お安い御用です」
指し示された病室に老女を連れて行くと、そこは大部屋。しかもすべてのベッドに患者さんが寝ている。
「う~ん、おばあちゃん、ここじゃないみたいだね」
「そうですか…。じゃあ、どの部屋なんでしょうね」
「いや、ワシに聞かれても…。とりあえず廊下に出ましょう」
困惑しながら車いすを押して廊下で彷徨っていると、遠くのほうから看護師さんが駆け寄り、開口一番、
「だめじゃないの! ●●さん、また他の人に迷惑をかけて!」
「ご、ごめんなさい…(老女、涙ぐむ)」
そして看護師さん、ワシに向かって「すみませんね、このおばあちゃん、いつもこうなんですよ」
まあ、こんなことは老人医療の現場では日常茶飯事らしい。いろいろなことを考えさせられます。
病棟に行けば、どこもかしこも老人ばかり。それも半数以上は介護を必要とする人で、痴呆がかなり進行している人もいます。申し訳ないけれど、その光景は想像を越えた世界。
「ぅお~い! ぅお~い!……」
寝ている時以外、絶えず呼び続けるジイさん。それが一種の「発声練習」となって、声が通るったらありゃしない。病棟中に響き渡るので、通常の神経をもつ患者なら頭がおかしくなってしまうかもしれません。でもそこに入院している患者さんたちは何食わぬ顔をしている。う~む。
「あの、ちょっとお願いがあるんですが…」
病棟の廊下を歩いていたら、車いすに乗った老女に呼び止められました。
「はい?どうしました?」
「私、あの病室なんですけど、連れて行ってもらえますか?」
「ええ、お安い御用です」
指し示された病室に老女を連れて行くと、そこは大部屋。しかもすべてのベッドに患者さんが寝ている。
「う~ん、おばあちゃん、ここじゃないみたいだね」
「そうですか…。じゃあ、どの部屋なんでしょうね」
「いや、ワシに聞かれても…。とりあえず廊下に出ましょう」
困惑しながら車いすを押して廊下で彷徨っていると、遠くのほうから看護師さんが駆け寄り、開口一番、
「だめじゃないの! ●●さん、また他の人に迷惑をかけて!」
「ご、ごめんなさい…(老女、涙ぐむ)」
そして看護師さん、ワシに向かって「すみませんね、このおばあちゃん、いつもこうなんですよ」
まあ、こんなことは老人医療の現場では日常茶飯事らしい。いろいろなことを考えさせられます。