ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

南米のギター音楽

2006-05-14 16:47:00 | CD/DVD
ギター音楽といえば一般にスペインを思い浮かべるかもしれない。しかしここでご紹介するのは南米のギター音楽だ。

まずはアルゼンチンのギタリスト、作曲家カチョ・ティラオ(b.1941)の《Milonga de Don Taco》。ティラオといえば1970年頃のピアソラ主宰の五重奏団のギタリストとして活躍したことはあまりにも有名。ならば、この《Milonga de Don Taco》はピアソラ風かというとそうじゃない。むしろキューバの作曲家レオ・ブローウェル(b.1939)のライトでファンタジックな作風に近い。

ティラオの作風がいかにアストル・ピアソラ(1921-92)と違うのかは、ありがたいことにピアソラの作品もこのディスクに収められているので参考になる。《5つの小品》(1980)などは、まさに「ピアソラ節」。ピアソラ作品はもう1曲収録されている。《チキリン・デ・バチン》(1969)がそれで、ここでは藤井敬吾(b.1956)による編曲版が用いられている。藤井といえば名曲《羽衣伝説》の作曲家としても知られるが、ここでは非常に穏やかなアレンジを行なっており、耳に心地よく響く。おそらくそうした理由から演奏者のエドゥアルド・フェルナンデスは藤井版をここで入れたのではないか。

そのほか、アルゼンチンの作曲家カルロス・グァスタヴィーノ(1912-2000)の《ギターのためのソナタ》や、パラグアイの作曲家アグスティン・バリオス・マンゴーレ(1855-1944)の《カテドラル》、《Maxixe》、それにコロンビアの作曲家ヘンティル・モンターニャの有名な《組曲第4番》、そして最後はウルグアイの作曲家ヘラルド・M・ロドリゲス(1897-1948)の《ラ・クンパルシータ》(ティラオ編曲)。

いずれも佳品揃いで、リラックス・タイムには楽しめるアルバムだ。
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