早朝、Q子から電話が入った。簡単には引継ぎできないぞとは思っていたが、正直言って困った。1時間弱、話を聴いていた。Q子の語る学校の寒々とした様子は、誰かひとり、学校につながっていける友人がいたら、世界は変わっていただろうにと思わされる。今日、私が紹介した精神科に行くが、いやなのだと語る。それはそうだ。初めて会うひとに、心許して語れということ自身が無理だ。しかし、君のこころのわだかまりは、カウンセリングで楽になれるはず。今の私は、電話であなたのことを受け止めているだけだ。
次第に言葉が少なくなり、電話の向こうの相手の存在を確かめるような合図へと変わり、やがて音がしなくなった。眠れたのだ。おやすみを言って受話器を置いた。
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弟は中学校の教員をしている。突然、我が家にやってきて、自分の子どもの話をして、私の居間の、本の山をあさっては、的外れな注釈をつけて帰っていく。今回はひとの予定も何も無く、本を数冊とりあげていやな顔をした。雑多な領域の書は、私の構想の糸で束ねられているから、他者にはそれがわからない。弟はコメントをつけようにも、私が何を考えているのかが、わからない。困って部屋を出て行った。
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連休を使ってメールを出す方がいらして、数通有益な情報をいただいた。企業が関心を持ってくれれば、運用が楽になる。確かに助成金を出しているところではないが、当たってみる必要がありそうだ。デモができたら、持ち込もう。
2/12朝日新聞湘南版に「区役所カフェ 企業が運営/障害者が接客・調理補助」という磯子区役所にある喫茶店のリニュアルの話が出ていた。ファンケルスマイルが運営にあたる区の経費を民間企業が負担することで、補助金の削減につながるというものだ。
これから、このような形の企業参入が増えていくだろう。その流れに乗れば、障害者の就労は進むだろう。だが果たしてこの方法をそのまま受け入れていいのだろうか。
私の頭の中には、引きこもりやニートの青年がいる。この流れは障害者自立支援法を基礎に、手帳を持つような障害者たちが就労の場を確保することを企画しているわけだが、グレーゾーン、または器質・機能的にとらえられた障害像からはみ出した社会的弱者は素通りされてしまうのではないか。採用基準は障害者支援団体の自主基準に委ねられるのか、それとも企業が想定して、当てはまる人のみ採用とするか明確ではない。いいかえれば、当事者と企業が手をたずさえる関係を育てており、その中で登場させたのかどうかというあたりが、企業の質を問う鍵になる。
特例子会社設置の流れに中では、このような試みはもっと広がるだろう。注意しなくてはいけないのは、当事者と企業の相互の連携が取れているかということ。さらに加えれば、行政はどこにいってしまったのだろうということだ。行政の社会的責任は、運営費を企業に移したことで済むはずが無い。懐具合の困窮をかわしただけになるのではないのか、この辺のことなのだ。
コミュニティ・ビジネスと言った場合、企業参入または活動の企業化ということについて、前者なら企業戦略として利潤を直接・間接(対行政ビジネス)考えて参入してくる。後者としても個人企業の商売の芽を作る目的を見分けにくいというようなグレーゾーンが付きまとう。当事者は解決を求めた動きを育てる。その延長上にビジネス手法が登場するという線にいかないのは、資金が無いからだ。資金を企業に求めるというとき、助成金・補助金のように、活動バックアップの範囲で協力してもらうのか、CBとして一歩踏み込んで、企業参入してもらうのかという線が現実的なのだろう。
ソーシャル・ファームの形は、当事者活動にビジネス手法を取り入れる形で、社会的不利益を自助克服していく線を模索する。行政・企業へもバックアップまたは第3セクター的に当事者・行政・企業の協議体が運営する形を探ることになる。就労の場の確保と同時に社会的不利益の克服という目的を持つ活動がソーシャルファームなのだ。
私の提案している「わーく」紙は広告紙のため、売り上げを期待できない。そこは企業広告や行政支援を使いながら、当事者がプレ就労の場として、就労意識を高める探索の場として、当事者が会費負担しつつ運用していくことになる。特徴は資本が少なくて済み、会員数に応じて伸縮自在であることだ。身の丈の活動を作ることができる。こういう手法もソーシャル・ファームの芽には必要なことだと思う。加えて言えば、「わーく」は感染源だということ。ここからさまざまな起業やプロジェクトが生まれてくる。そういう種にあたる活動なのだ。コミュニティ・ビジネスというより、ソーシャル・ファームとの親和性を感じている。
(参考)
●「ソーシャルファームと障害者の雇用- 英国の経験」
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/conf/co20050116/kouen1.html
●「英国における知的障害者のためのソーシャル・ファーム -木の頂上からの景色-」
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/conf/co20050116/kouen2.html
●基調講演 「ソーシャル・ファームの普及・拡大の戦略」
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/conf/co20060115/kityo.html
●「障害者にとって有意義な雇用の創出」
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/conf/co20060115/kouen1.html
●「身近なところにヒントを探してみよう」
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/conf/co20060115/kouen2.html
●ホームレス事情
http://www.goethe.de/ins/jp/lp/prj/obd/exp/ja1513552.htm
以上
次第に言葉が少なくなり、電話の向こうの相手の存在を確かめるような合図へと変わり、やがて音がしなくなった。眠れたのだ。おやすみを言って受話器を置いた。
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弟は中学校の教員をしている。突然、我が家にやってきて、自分の子どもの話をして、私の居間の、本の山をあさっては、的外れな注釈をつけて帰っていく。今回はひとの予定も何も無く、本を数冊とりあげていやな顔をした。雑多な領域の書は、私の構想の糸で束ねられているから、他者にはそれがわからない。弟はコメントをつけようにも、私が何を考えているのかが、わからない。困って部屋を出て行った。
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連休を使ってメールを出す方がいらして、数通有益な情報をいただいた。企業が関心を持ってくれれば、運用が楽になる。確かに助成金を出しているところではないが、当たってみる必要がありそうだ。デモができたら、持ち込もう。
2/12朝日新聞湘南版に「区役所カフェ 企業が運営/障害者が接客・調理補助」という磯子区役所にある喫茶店のリニュアルの話が出ていた。ファンケルスマイルが運営にあたる区の経費を民間企業が負担することで、補助金の削減につながるというものだ。
これから、このような形の企業参入が増えていくだろう。その流れに乗れば、障害者の就労は進むだろう。だが果たしてこの方法をそのまま受け入れていいのだろうか。
私の頭の中には、引きこもりやニートの青年がいる。この流れは障害者自立支援法を基礎に、手帳を持つような障害者たちが就労の場を確保することを企画しているわけだが、グレーゾーン、または器質・機能的にとらえられた障害像からはみ出した社会的弱者は素通りされてしまうのではないか。採用基準は障害者支援団体の自主基準に委ねられるのか、それとも企業が想定して、当てはまる人のみ採用とするか明確ではない。いいかえれば、当事者と企業が手をたずさえる関係を育てており、その中で登場させたのかどうかというあたりが、企業の質を問う鍵になる。
特例子会社設置の流れに中では、このような試みはもっと広がるだろう。注意しなくてはいけないのは、当事者と企業の相互の連携が取れているかということ。さらに加えれば、行政はどこにいってしまったのだろうということだ。行政の社会的責任は、運営費を企業に移したことで済むはずが無い。懐具合の困窮をかわしただけになるのではないのか、この辺のことなのだ。
コミュニティ・ビジネスと言った場合、企業参入または活動の企業化ということについて、前者なら企業戦略として利潤を直接・間接(対行政ビジネス)考えて参入してくる。後者としても個人企業の商売の芽を作る目的を見分けにくいというようなグレーゾーンが付きまとう。当事者は解決を求めた動きを育てる。その延長上にビジネス手法が登場するという線にいかないのは、資金が無いからだ。資金を企業に求めるというとき、助成金・補助金のように、活動バックアップの範囲で協力してもらうのか、CBとして一歩踏み込んで、企業参入してもらうのかという線が現実的なのだろう。
ソーシャル・ファームの形は、当事者活動にビジネス手法を取り入れる形で、社会的不利益を自助克服していく線を模索する。行政・企業へもバックアップまたは第3セクター的に当事者・行政・企業の協議体が運営する形を探ることになる。就労の場の確保と同時に社会的不利益の克服という目的を持つ活動がソーシャルファームなのだ。
私の提案している「わーく」紙は広告紙のため、売り上げを期待できない。そこは企業広告や行政支援を使いながら、当事者がプレ就労の場として、就労意識を高める探索の場として、当事者が会費負担しつつ運用していくことになる。特徴は資本が少なくて済み、会員数に応じて伸縮自在であることだ。身の丈の活動を作ることができる。こういう手法もソーシャル・ファームの芽には必要なことだと思う。加えて言えば、「わーく」は感染源だということ。ここからさまざまな起業やプロジェクトが生まれてくる。そういう種にあたる活動なのだ。コミュニティ・ビジネスというより、ソーシャル・ファームとの親和性を感じている。
(参考)
●「ソーシャルファームと障害者の雇用- 英国の経験」
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/conf/co20050116/kouen1.html
●「英国における知的障害者のためのソーシャル・ファーム -木の頂上からの景色-」
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/conf/co20050116/kouen2.html
●基調講演 「ソーシャル・ファームの普及・拡大の戦略」
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/conf/co20060115/kityo.html
●「障害者にとって有意義な雇用の創出」
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/conf/co20060115/kouen1.html
●「身近なところにヒントを探してみよう」
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/conf/co20060115/kouen2.html
●ホームレス事情
http://www.goethe.de/ins/jp/lp/prj/obd/exp/ja1513552.htm
以上