湘南オンラインフレネ日誌

フリースクール湘南オンラインフレネ学習的就労支援活動・災害ボランティアの実践を書き溜めていきます。

障リハ協DAISYシンポに参加して(『わーく』SNSの可能性)

2007-02-05 07:03:34 | 引きこもり
(財)日本障害者リハビリテーション協会 主催の

「障害者への 情報支援普及・啓発シンポジウム~DAISY(アクセシブルな情報システム)を中心として~」に、

参加してきました。東京・青山のホテル会場は200名を超える参加者でした。

様子が変化してきているのは、視覚障害関係以外の障害者団体・養護学校関係者がはっきりと目立ち始めたことです。以前は出版関係・図書館関係・行政関係の関係者が多かったのですが、DAISY が、いよいよ開発から普及にシフトしてきたことです。

今回は

河村 宏 氏:経過と展望
岩井一彦 氏:視覚障害領域から
神山 忠 氏:読み書き障害を中心とした学習障害領域から
藤澤和子 氏:知的障害領域から
伊藤知之 氏:精神障害領域から
井上芳郎 氏:LD親の会(シンポ)
中村 芬 氏:ソフト制作 ひなぎく(シンポ)
成松一郎 氏:出版業界  読書工房(シンポ)
野村美佐子氏:障リハ協(シンポ)

主眼は

1)プライバシー公開せずに読書できる自由
2)ツールによる障害困難の克服
3)学習認知の促進
4)世界標準フォーマットによる交流促進
5)デジタルコンテンツの自主制作ツール開発
6)コミュニケーション表現媒体開発

というようなことにあるようですが、今回実践例報告が浦河べてるの家の「障害特性説明」と「防災マニュアル」以外は、明らかに練れている感じでした。特に「マニュアル」は内輪画像集の感じで、地図略図併記の必要がありました。神山・藤澤両氏の解説は注目度も高く、問題点もかなり具体的に立ち上がってきていました。

DAISY はW3C のhtml or xml(Web)+bmp & jpeg画像+MP3音声という極端に平凡な構成を特徴にして、それを統合表現するソフトとして開発されているため、根気があればフリーソフトのダウンロードだけでコンテンツ開発ができます。現在流通しているJAVAやFLASHなどの技術が特許のブラックボックスにあることに対しちょうどLINUXというOSがソース公開の形で、ボランタリーに開発されてきたように、スウェーデン&日本が言いだしっぺの様な形で公開で開発されており、特許化しないという国際取り決めの中で初夏にはVer.3.0が出てきます。

日本点字図書館がカセットをやめ、CD/DVD+DAISY に切り替えを始めた話とか、全米指導教材アクセスセンターNIMACが全米教科書のDAISY版を採用した話、今年マイクロソフトが参入した話などカセット以降の標準フォーマットとして定着していく流れができたと感じます。現時点で40カ国が参加しているそうです。

報告はいまだ「伝達のツール」としての域を出ていませんが、いわゆるマルチメディア効果を引き出す実践が膨らみはじめ、これは私の感想ですが、今回の会合はDAISY がブレイクした場面だろうと思っています。それほどに質が濃く、機能の利点の実感が伝わってきました。

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私がDAISY に着目するのは、現在、視聴覚「表現」を、より容易に手がけることができる時代に突入したこと。たとえばWord文書はファイル変換によって、そのままWebにすることができます。さらに画像を貼りこんだ画面を作るWeb作成ソフトは、やさしくなってきました。webには音声ファイルが貼れますし、それをCDやメール・HPなどで流通させることが、可能になってきたことです。その統合表現ソフトがDAISY 規格のLP-Playerとして無料配布されています。

私たちの「わーく」は、HPなどのURLを紹介するコンビニ冊子と、より安全なオンライン環境(SNS+DAISY)で障害の障壁を越えたコミュニケーションを狙っています。視覚表現(画像)や語り(音声)でも交換できる状態を作ります。DAISYはそれを容易にする技術です。

読み取り>Web携帯電話・PC
書き込み>Web携帯電話(text & 画像のみ)・PC

この「PC」のところにDAISY が入ります。DAISY 規格で作成したものは、携帯電話でも条件付で読み取れます。限界とは、ファイルの容量に限界があること、text・音声・画像単独の表現になることです。

携帯電話からの書き込みでは、「text」を送ることが可能です。「画像・音声」は、機種に制限がありますが可能。textなら掲示板書き込みも可能です。これらは普通のwebブラウザやDAISY用LP-Player で読み取れます。

今回デモCD「いや」(全国手をつなぐ育成会)をもらってきました。静止画像と自動読み取りのCDで、事前にLP-Player(読み取りソフト)を用意しておかなければなりませんが、

読みの位置にカーソル反転
読みの速さの選択

などの機能を見ることができます。

また「シナノケンシ社」のDAISY製作&再生機のパンフなどを受け取り、希望者配布されるデモDVD申し込みをしてきました。

「表現」ツールとしてのDAISY は、まだ実践例が薄く、初夏のVer.3.0(米国標準として先行)が出た段階で製作ツールも公開されるでしょう。視覚障害者にも製作可能なツールは、Ver.2版が出ています。

ツールを使えばテレコムに参加できる可能性が出てきています。軽度発達障害関係・知的障害関係のオンライン実践が次の会には登場するでしょう。

なお、品川裕香さんも、エジソンクラブの高山さんと組んで「ディスレキシアってなあに」「キミはキミのままでいい」の2編のDAISY作品を作っています。

今回、全国手をつなぐ育成会製作「いや」のDAISY版がおまけにつきました。ずっしり重い内容です。他にもいろいろもっていますので、2月22日は一部を紹介し、「わーく」のオンライン側の話の中で、DAISY を紹介します。(社協のC会議室ですからPC画面かなあ。)

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帰りに講師の神山さんに私たちの連続講演会の講師依頼をするかもしれないと不躾なお願いをしてきました。軽度発達障害の機能改善の可能性をかなり具体的に見せてくれたので、遠方ですが是非呼べるようにしたいのです。

(参考)
●Daisy Consortium(英文)
http://www.daisy.org/

●ノーマネット>ノーマネットDAISYファクトリー
http://www.normanet.ne.jp/

●デイジーにようこそ
http://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/index.html

●Daisy Tokyo
http://homepage2.nifty.com/daisy_t/index.htm

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帰りに*君には迷惑だろうけれど、週に1度はお邪魔して食事を一緒に食べたいので、大き目のタッパウェアを買って帰りました。独立してひとりの食事は味気ないもの。許せ*君。

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神保町に立ち寄って、社会的企業関係の著作を立ち読み。本が高い。手が出ず、ISBNだけ記録して帰宅した。

コメント
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