日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

心和む節分の願掛け

2014年02月07日 | エッセイサロン
2014年02月07日 中国新聞「広場」掲載

 節分の夜、誰にも見られず、四つつじの真ん中に、年の数だけ豆を紙に包んで置くと願いがかなう。子どもの頃、祖母から聞いた節分のまじないだ。

 引っ越してきた家の前の小さなつじに、初めは10個ほどだった。願いがかなったのか、その数は少なくなり昨年は1個。

 今年もドアをそっと開けた。あった、2個。それは、これまでの無造作な置き方と違い、むつまじく寄り添うように置かれている。

 同じ願いを、真っ白な紙に包む2人の姿が目に浮かぶ。その包みを朝日が優しく照らしている。きっと願いはかなう、そう思った。

 各地の観光化した豆まきや恵方巻きを食べるなど節分行事も子どもの頃に比べ大きく変化した。

 そんな時代変化の中で、願掛けの風習が続いていることに驚く。裏通りの小さなつじだから、神秘的なことが続いているのかもしれない。そう思うと、驚きながらも、何か安堵する気持ちになる。 
コメント (2)
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