年度末、錦帯橋の桜も見ごろになった。公務員の退職辞令交付は、コロナ対策で簡素化されたとはいえ行われる。何百人もの退職者が広い会場に整列し辞令を受ける。壮観ではあろうが、改善の余地があると思う。勤務していた会社は「60歳に達した日をもって定年退職とする」規定だった。なぜ誕生日前日かと仕事がらよく聞かれた。法律で「60歳に達した日とは誕生日の前日」となっていると説明したことを思い出す。
年度が終わろうが新しく始まろうが人の生活は途切れることはない。ところが新型コロナウイルスが生活に大きな波乱を巻き起こしている。感染の勢いは増し、日本医師会は先日制定された「緊急事態宣言」を発出しそれにより対処すべきという意見。医師から見ればそれほど危険域に達している判断だろうが、国はその期にあらずだ。手遅れにならないことを願う。
コロナの影響で経済の大きな落ち込みが心配されている。年度末の今日も、融資の相談が途切れないというニュース映像が流れていた。年金だけでつつましく生活している身では融資に縁はないが、不況になるという専門家の見解を聞くと、先行きへの不安はぬぐえない。史上最高の国家予算が成立したが、不況の予測から税収が予算通り入るのと聞きたい。税収不足は予算執行に響く。
生活に響くといえば今日の購読紙の見出し「値上げ続々 逆風の春」として、支出増に連なる例示がズラリ並ぶ。値下げは自動車の自賠責保険料の16.4%減。コロナ感染対策の自粛規制で各企業、特に中小のこれからが大きく心配されている。コロナに押され苦境の企業に新年度が明るい糧を運んでくることを願う。