日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

いつくしむ

2014年02月20日 | 生活・ニュース


 2階にある医院の待合室、診察時間前で数名の人がその開始を待っている。本を読んでいた私の視界に真黒な犬が入ってきた。顔をあげるとその犬につれられるように男性が入って見えた。その様子から盲導犬とわかり、男性の手を引き椅子の場所を教えた。「ありがとう」といいながら腰を掛け、「シット」と一声、犬はべったりと床に伏せた。

 盲導犬は、視覚障害者を安全に快適に誘導する犬で身体障害者補助犬の中でもっとも広く知られている。しかし、間近で見るのは初めて。その背中に大きめの書体で書かれた「お仕事中」の表示が免許証のような札と一体になったものをハーネスにつけている。こうした仕事中の犬に、話しかけたり触れたり食べ物をあたえたりしてはいけない、その程度の知識しかない。

 2階に上るには緩いらせん状の階段を上る。盲導犬はユーザーの男性を安全に導いて上った。この男性は児童生徒らに盲導犬の普及と活躍についてこわれて各地を訪問し話されていることが会話の中で分かった。地元紙に大きく載せてもらった、と、その紙面を持参されていた。内容は家族の方から聞かれたのだろうが満足そうだった。
 
 男性は「今10歳です。お仕事はもうじき御免となるでしょう。最後まで守ってやりたい」その声には相棒への感謝といつくしむ気持ちがくみ取れる。会話が理解できるのか、シットの声の時のまま動かない。診察を終えて待合室に戻った時もそこは盲導犬中心の話題だった。
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