月並みだが、今年も残すところ2カ月、2012年の文化勲章や同功労者が発表された。ips細胞発見者でノーベル医学・生理学賞を受賞された山中伸弥教授も受賞される。他の受賞者は80歳代の中でのずば抜けて若い50歳、日本中の期待がかかる。
岩国城ロープウエイ山麓駅前広場では明日からの菊花展に備えて準備中。観光中の人が準備中の人へあれこれ質問される。共に花好きなだからか会話が長引いている。この展示のため「半年前から花作りを始めた」とも聞こえた。娘を嫁がせる気持ちだろうか。
庭で猫額ほどの畑に菊を植えていたことがある。花好きだった母へ供えようという殊勝な思いからだった。お供えに合わせて切り落とした小菊の茎を挿した。1年中使えるほど咲きはしなかったが、茎を挿すと必ず咲いてくれた。引越すまで続いた。小菊がより小さく変わったが、自作だから母は喜んだと思う。
菊の咲くころに定年退職して干支を一巡りした。先日、本棚の整理をしていたら「定年メモ」と書いたファイルが端っこへ押し付けられるようになっているのに気づいた。長いこと開いていないことになる。退職時の写真や寄せ書き、便りなど懐かしく見直した。
退職にあたって沢山の花が届いた。そんな中に一束の菊があった。その菊を仏壇に供え、元気で定年を迎えられたことを両親へ報告をした。計画の定まらぬままの定年、それから12年経ったいま、周囲の人の支えもあってこうして思い返せるのことに感謝しながら、健康寿命をしばらく満喫したい。