
一人で歩いてちょっと買い物。目指したものが買えたのでホッとしながら、久しぶりなので少し回り道をしてみようかと歩き始めた。熱中症警戒アラートは出ていないが日差しは結構強いがこれまでに比べればしのげる。そう思いながら角を曲がったら3人が立ち話中、みんな知らない人だが「こんにちわ」と声を掛けた。
「暑いが歩いてですか」と声を掛けられ手持ちの気温計を見せられた。気温33度で湿度は77%を表示していた。「気をつけんさいよ」と見送られお礼を言って歩き始めた。拝見した年齢から昔からこのあたりに住まわれている人たちだろうが、親切で温かい声掛けは陽ざしをやわらげる感じがするほど気持ちいい。
次の角を曲がる。かつては市内で最も賑わった歴史ある通りに出た。およそ1㌔の直線は藩政時代の道幅そのままでこの商店街が衰退した一因と私は思っている。子どもの頃に住んでいて賑いを覚えているという定年退職者から「消えた商店街」と言われたことがある。ずっと先まで見通せるこの通りに人も車も見えない、写真を撮る私がいるだけだった。
商店街では大きな店構えだった金物店、シャッターが閉まりぱなしになって2年くらい過ぎたろうか。かつての店内は大型自家用車3台の駐車場に変わっていた。100年続いた店の面影は消えている。ここの女将さん「涙が枯れて出なくなりました」、最後のシャッターを閉められる時に聞いた声がいまも耳の奥にある。
(今日の575) 賑わいの戻らぬ通り人気なく