日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

出前講座 弁当楽しみ

2010年02月28日 | エッセイサロン
              

2010年2月28日 中国新聞「広場」掲載
 
  所属しているパソコンの会は、パソコンの普及と利用促進を図ることを目的にしたボランティア団体だ。活動は、機材を会員の車に載せ、合併で広域化した岩国市内各地へ出前講座に出かける。

 会員は大方が年金生活者。パソコン経験もスキルも異なる。こんなメンバーが協力し合う。講座は手作りのテキストを使い、分かりやすく教えることに苦心している。

 講座では受講者との会話も楽しいが、もうひとつ楽しみがある。それはお昼の弁当。初めは手弁当で出かけていたが、いつごろからか、開催地域の温かい弁当を食べるようになった。

 献立、作り方、味付け、容器などみんな違う。共通点は食材が地元産でヘルシー。何より手ごろな値段がありがたい。

 同じ弁当を食べながらの会話も盛り上がる。会員になる前の職業はさまざま。そこでの体験などを聞くと、知らない世間が多くあることを教えられる。

 こうした形で元気に楽しみながら食べることを、定年前には考えもしなかった。さて、次はどこの弁当だろう。

(写真:ある日の講座の弁当)
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日本酒が消える

2010年02月27日 | 町かど
               


日本酒の需要はほかの酒類に押され低迷している。長く続いた造り酒屋が閉じる姿を見た。焼き杉の板で囲まれた大きな酒蔵が消え、見慣れていたコンクリート製の煙突が姿を消すと、とてつもない広場が現れる。その見慣れない広場に子どものころ怖さを感じた。

2年ほど前にもほかの1軒がその姿を消した。大型の重機はなんなく歴史をひきちぎり、小さな破片に変えていく。親しんで眺めてきた煙突がモンスターの頭のような重機でかじりとたれる様子は、持ち主でなくても何かを失うようだった。

酒蔵は消えても水は残った。酒と水、切っても切れない関係だ。錦帯橋の架かる錦川の伏流水が美味い酒を作らせた。酒蔵の閉まった後でも水を求めてタンクローリーが日本の味を継ぐためにやって来ていた。

空き地のひとつはマンションが建ち、もうひとつは分譲宅地に変わり、新しい息吹が始まっている。一方で、市内のある酒造メーカーでは「純米大吟醸 磨き二割三分」という酒、増える需要をまかなうため設備の倍増を図ったという、うれしい便りもある。

日本の味、日本酒、ここにも盛衰の歩みが刻まれる。

(写真:煙突が消えると周辺の感じが変わる)
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本ならなんでも

2010年02月26日 | 町かど
               

本町という町内に2軒の書店、S日章堂とN堂書店が並んでいた。Sは1995年前後ころに閉まったように思う。そのSの昭和17年4月の広告文面が手元にある。それには「岩國市地圖販賣 東京交通社特約店 書籍 養育品 楽器」とあり店名と本町、電話、振替番号が載っている。電話に市外局番はない。

Nは2000年代になってまもなくシャッターが降りた。奥行きの長い書店で、奥へ向かうほど難しく値段の高い本が並んでいたように思う。就職して初めて自分のお金で本を買った店だけに思い出があり、定年後もしばらくは訪れた。小中学校のときの教科書は必ずこの書店で購入していた。

Nは通りを挟んだ向かい側にも店があったものの、時勢の流れか郊外店に活路を開かれたと聞いたが、訪れた事はない。錆びの出始めたシャッターに書かれた「本ならなんでも」という白い文字がなんともやるせない。

書店を通じなくても通販や図書館への予約、直近では電子媒体で希望の書籍が読める。またTVの多様化などから「書店のにおい、本の重さ」という本への畏敬は薄らぎ、その文化も姿を変えていくように感じる。

(写真:華やかなころを知るだけに侘しさを感じるシャッター)
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体験しに来てください

2010年02月25日 | パソコン講座
               

NPO法人、といってもその実態はボランティアで活動を続けている会が「パソコンフェスタ2010」を岩国市中央図書館展示室で、26日~28日まで開く。期間中は「パソコンで遊ぼう」をテーマに子どもさんからパソコン初めての方まで楽しく過ごせる企画が盛りたくさんです。

数に限りはありますが3日間、20名の方に無料でマイバック作成の幸運が待っています。好みのデザイン画に自分の名前を入れたオリジナル、世界でひとつのバッグを作ってみませんか。

パソコンのあれを知りたい、こんな事に困っている方はぜひお越しください。パソコンのプロがよろず相談に応じます。プロといってもボランティアです。やさしい言葉で丁寧な説明は実績があり、多くの疑問を解決してきました。

ネットの便利さは聞いているが、操作が怖くてと便利なインターネットの世界へ足を踏み入れられない、という声を聞きます。こうした方に会場ではいろいろなネット体験が出来る工夫がしてあります。ぜひこの機会にネットの世界へ飛び込んで下さい。

そのほかお絵かき、しおり作り、会独自で作成した教材など学べる内容も用意しています。3日間とも午前10時から午後4時まで、緑色のジャンバーが応対します。

(写真:10数台のパソコンが待っています)
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煙が消えて

2010年02月24日 | 町かど
               

校区内にかって3軒の銭湯があった。鉄砲小路と錦帯橋近くの土手町、もう1軒は昔の岩国税務署から少し細い道を入った塩屋町と曲尺町の中ほど、どれも表通りから1歩入った共通点がある。

土手町のそれは閉店後、岩国特産の漬物店のギャラリーとして観光客向けに開かれている。宇野千代お勧めのお店として漬物工場には観光バスが立ち寄る。ギャラリーの玄関は往時のままで懐かしい。

長久寺小路の銭湯は早くに閉まった。普通乗用車の離合も難しそうな小路沿いだが、当時は垢抜けていたであろうアパートに建て変わった。しかし長い年月、周辺も次々に建て代わりかっての雄姿をしのぶ由もない。

最後の1軒、燃料のおが屑を積んだ軽トラがこなくなってまもなく閉まった。それから3年になる。建物は今も残っているが役目を終えた煙突、町の移り変わりをどんな目で見たのだろう。入り口の扉があく1時間もまえから利用客が集まり「銭湯入り口サロン」のようで賑やかだった。

銭湯は町の社交場とも呼ばれ、なくてはならない施設のひとつだった。ひとたび閉じればこのご時勢、再び開くことはなかろう。古いといいながらも庶民の生活が染み込んだ歴史が姿を消す寂しさは、単なる感傷だけではない気がする。

(写真:煙が出なくなって寂しく感じる銭湯のなごり)
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芭蕉にも春近し

2010年02月23日 | 自然 季節
               

先週の寒さ冷たさはどこへやら、今日は3月下旬の暖かさという。上着も1枚薄くなり、駐車した車内は暑いくらい。そういえば朝ウオークで耳あてを外しても冷たくなかった。鶯の声を聞いた、というメールも届いている。春は偲び足でなく手を振って近づいている。

この時期には力抜けして頼りなさそうで侘しそうなだと眺めていた枯芭蕉、春のような陽気に誘われてか、シャキッとしている。風になびく千切れた葉も心地よさそうに揺れている。ついこの前の姿との違いに驚く。

同じ芭蕉でも朽ち果てた姿も見かける。枯芭蕉も朽芭蕉も、もうすぐ鮮やかな緑色の芽を見せ始める。葉は長いものでは2メートルを越すという。強い風で裂けやすい特徴は、折れないように風を逃がすという。植物の賢さを感じる。

芭蕉の葉の思いでは自家製の岩国寿司を作るとき、段敷きに使っていた。芭蕉は食せないが寿司との切り離しが子どもでも容易で、白い米との彩りもよかった。核家族になり自家製のそれを作ることもなくなり、芭蕉の葉は見るだけになった。

(写真:春を待ちわびる枯芭蕉)
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いち・きゅう・ぱ

2010年02月22日 | 生活・ニュース
               

ずいぶん昔の話になる。いかに売り上げを伸ばすか、それにはどうしたらお客さんに足を運んでもらえるか。考えた結果は当時では目を引く売価「98円」、考えたのは柳井の商人、と、うる覚えにある。

こんな名残か最近の価格には「いち・きゅう・ぱ」「にい・きゅう・ぱ」など価格の末尾に8円がつく。198円と言わず「いち・きゅう・ぱ」で通じる。スーパーで目に付いた表示価格は168、178、198、278…、といろいろあるが末尾8円が多い。8は末広がりで次第に栄える意味があり喜ばれる。

980、1,980、2,980円…も多い。これも「きゅう・ぱ」に通じる。若いころには千円をきると安く感じた時代もあった。最近は千円を下回る衣料品も人気があり流行しているようだ。

車でなくても安くていい品なら誰もクレームをつけない。そんな価格の呼称「きゅう・ぱ」が始まったころに流行語大賞があったら間違いなく受賞しただろう、そんなことを思いながら表示価格を見ると「適正な本当の価格はいくら」、そんな疑問をいつも感じる。

(写真:表示価格末尾が8円の商品が並んでいる棚)
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町かど

2010年02月21日 | 町かど
               

「岩国市の歴史や文化を市内外の人に知ってもらおう」という呼びかけに誘われてメンバーの一人として参加することを決めた。問われてみれば、知っているようでその中味はほとんど知らない。活動はご当地検定の実行を目標に進める。代表の企画に沿ってこれから会員が意見を出し合うことになっている。勉強をさせてもらおう。

そのキックオフの後から町中を見る目が変わった、といえば過ぎた言い回しになるが、何か探す自分に気づいた。何でもなく子どものころから通り過ぎていた古い町並みや通りに思い出があることに気づいた。

そこで古くて小さな記憶や思い出、そんなことを残しておこうとカテゴリーに「町かど」を加えた。だからといって特別な散策などをすというのでなく、ふと出合った風景、ふと耳にした話などをこまめにまとめる。肩を張らずに長く続くカテゴリーにしたい。

(写真:狭い通りの両側に何かがあるかも)
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氷上のチェス

2010年02月20日 | 生活・ニュース
               

バンクーバー冬季五輪。雪と氷を舞台にした神技・妙技が画面から伝えられる。メダル獲得と前評判の高い選手の競技や演技に画面が変わると、一段と力の入った放送になる。

五輪放送でカーリングが面白い。これは高度な戦略が必要とされ、その理詰めの試合展開から「氷上のチェス」とも呼ばれるそうだ。石を約30メートル離れた円(ハウス)の中心に近づけたチームが得点を得る。

日本代表のチーム青森は1次リーグ第4戦で前々回のソルトレークシティー五輪の覇者イギリスを降した。第9エンドにスキップ目黒萌絵のスーパーショットで一挙に5点を奪い、11-4、10エンドを残してイギリスチームがギブアップ、日本の勝ちが決まった。日本は通算2勝2敗となった。

前半は4-3で日本リードだが接線、8エンド日本が6-4で終了。9エンド目黒のダブルテイクアウトで一挙5点。そこでイギリスチームが日本チームへ握手を求めた。

どうしてイギリスは握手を求めたのだろうか。カーリングというスポーツは、いわゆるスポーツマンシップを重んじる競技であることから、例えば相手チームの失策を喜んだり、あるいはそのような態度を示すことは、慎むべき行為として忌避するという、気持ちよい約束事があるそうだ。

また、途中のエンドの終了時に自チームに勝ち目がないと判断したとき、潔く自ら負けを認め、それを相手に握手を求める形で示すという習慣もフェアプレーの表れの1つとして守られている。自分がファウル(ルール違反)をした時、それを自己申告するくらいのプレイ態度が期待される。競技の鑑になることを知った。

数ミリほどの誤差が勝負にかかわるという。チーム青森の健闘を見守りたい。

(写真:11対4となった9エンドのハウス、TV画面より)
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にらめっこ

2010年02月19日 | 生活・ニュース
               

3歳くらいの女の子が何か言いながら水仙に顔を近づけたり離したりしている。匂いを嗅ぐにしては変だな、そう思いながら見ていた。

ほどなく、口をとんがらかして頬を膨らませた。なんと、もの言わぬ水仙とにらめっこをしていたのだ。しばらくそのままの姿勢が続いた。勝負は引き分けだったのか、女の子は立ち上がり水仙にちょっと触ってかけていった。

風に揺れる水仙を見て思いついたにらめっこだろう。たったこれだけのことだが嬉しかった。ゲームで遊ぶことの多いといわれる現代子の中で、身の回りで目に触れたものを使って遊びを発見した女の子、間違いなく先が明るいとひとり納得していた。

水仙も初めての経験で驚いたのではとカメラを向けた。風に吹かれて心なしか揺れる水仙は嬉しかった、といっているように感じだ。

(写真:嬉しそうなにらみっこをしていた水仙)
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