
ゴールデンウイークのさなか、もっと気のきいた話をと思うが、久しぶりの出会いなので思いついたことを書いておきたいと思った。と言ってその対象は「蠅」。それは屋外で立ち話をしているとき何処からか飛んで来た。話相手の人の頭の周りを飛び回る。手で何度も追いはらうが親しそうにまた寄ってくる。
それなのに、私には一向に寄りつかない。蠅は私を無視しているのだろう寄ってこないことをいいことにして、手で追っ払う姿を笑いながら見ていた。そのうち、寄ってきてほしくはないが、蠅にも見向きもされない我とはいったい何のだろう、つまらぬ自問に陥った。
つまらぬ自問しながらふと「五月の蠅」と書いて「うるさい」と読むんだということを思い出した。まさに目の前の様子が「うるさい蠅」に困っている。蠅は気温が15度くらいになると活動を始め、気温が次第に高くなるにつれ活動がさらに活発になるそうだ。久しぶりの活動期に入った蠅の喜びが目の前の光景だろうか。
子どものころ、肉や魚の店には天井から何本も、細長いテープ状の紙に粘着質の塗られた蠅獲りが垂れ下がっていたが今もあるのだろうか。最近蚊はやってくるが蠅を見なくなったように思うのは衛生環境の改善効果だろうか。蠅に中断された話も「元気でな」と言い合い別れた。
(今日の575) 蠅や蚊の羽音聞こえる時期が来た