日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

まきの時代

2021年06月30日 | エッセイサロン
2021年06月30日 中国新聞セレクト「ひといき」掲載

 散歩の道沿いに、昔からまきを扱う店がある。久しぶりに通りかかると、割り目も新しい束が積まれていた。店の軒まで高く積み上げられた時代もあるが、今は背丈ほどにしかない。
 私が暮らすこの町では、昭和30年代に入ってからLPガスや灯油が家庭の燃料として普及し始めた。それまでは風呂もご飯炊きもまきが必要だった。
 まきは、雑木や伐採して用材にならなかったものから作る。わが家では祖父が担った。私は中学生になってから手伝った。最初は見よう見まねで丸材に力任せ、手おのを振り下ろした。わずかに食い込んでも割れることはなかった。
 祖父が教えてくれた。
 「木には割れやすい向きがある。根の方を上にして立て、その中心へ手おのを振り下ろす。瞬間、力を入れる。手おのの跳ね返りを防ぐのだ」と。
 頭で分かっても、できなかった。中心へ振り下ろした瞬間の力の入れ具合は、回数をこなしてやっと会得できた。力に頼らずとも素直に「ポーン」と真っ二つに割れるのは、心地よかった。一人前になれたように思ったものだ。
 冬場は水が冷たい。まきの使用が増える。祖父はまき作りに励み、軒の高さまで積み上げて、きせるをくわえながら眺めていた。
 祖父が逝って60年余り。便利になった現代を見たら、どんな顔をするだろう。 
 しかし、この町には今もまきの需要がある、懐かしい風景が残っている。
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波静かな海面から

2021年06月29日 | 社会 政治

 梅雨の晴れ間、いつにもまして波静かな瀬戸内海沿いの国道を走る。私はハンドルを握らないで車窓の外を眺めているだけ。申し訳ないがコロナや選挙などの騒がしさからしばしの忘却、そんなひとときにほっとする。軒の連なる通りに人の姿は見えず、自粛中の三文字が浮かぶ。

 東京都の新型コロナ感染者が下げ止まりから増加に転じて10日あまり経つ。週平均の増加率は125%余りで上昇している。街の賑わい、人出、無節制な飲酒など映像で見せられれる限りでは、感染者の増加は勢いを増すという専門家の声に頷くしかない。コロナを抑え込まない限り制限の繰り返しになることは学習した。

 地方に住んでいても民放は在京キー局の電波が主に流れるので、いやでも東京都の情報を中心に見たり聞いたりになる。都議選のさなかだが、引き続き衆院選があり、関係者は五輪どころではない人も多かろう。五輪アンケートの選択肢から「中止」の消えた新聞社もあるとか、都民の五輪開催、中止、延期などの割合はどんな具合なのだろう。

 県内の衆院小選挙区は4区に分け各区定員1名だが、国勢調査結果で人口が6万余人減り、今秋の選挙の後から減員になる。どんな区分けになるか関心はあるが、小選挙区ではなくなるが全県1区とし、上位3名が当選も面白いのではなかろうか。与党では現職公認が原則、今夕も新しい与党内バトルについて報道される。政争にばかり目を向けず、波静かなふるさとの海を眺め沈思黙考されてみてはいかがだろうか。
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カボチャ諸々

2021年06月28日 | 生活・ニュース

 先日、今年、初収穫されたカボチャを貰った。「カボチャ、かぼちゃ、南瓜、唐茄子、ぼうぶら」と場所によっていろいろな使い分けがされる。東京生まれは「かぼちゃ」だが、大阪生まれは「なんきん」と呼ぶそうだ。東京言葉を持って標準語とされるので「かぼちゃ」以外は方言となる。祖母はなぜか「ぼうぶら」と呼んでいた。

 カンボジアが原産と考えられることから「かぼちゃ」、中国は南京を経て来たので「なんきん」、こうした謂れというのは信じても信じなくても、それらしく理由付けされていていつも面白いなと思う。夏に収穫し長期保存がきき、冬至に食べると中風にならないという言い伝えがあり、三代前から我が家でも踏襲している。

 かぼちゃと言えば思い出す。戦中の食料確保として保存のきくカボチャを庭の隅に作っていた。その朝、祖母がカボチャの生り具合を確認していた。その姿を窓越しに見ている時だった。目もくらむ閃光が周囲を真っ白にした。気づいたとき祖母は私のそばで窓越しに外を見ていた。「何じゃろうか」というが、分かったのはしばらく後で「原爆投下」の瞬間だった。花の黄色が印象にある。

 もう一つ、小学校の頃の私のあだ名は「カボチャ」だった。自分ではその理由はよく分からないが「お前の頭は大きいのう」と言われていたことによるのかも知れない。カボチャ〇〇は醜い例えに使うという。大きい頭よりそちらだったのかもしれない。中学生になると変わったが、それはまたの機会に紹介する。貰ったカボチャは1.5㌔強、ずっしりした重さを感じる。きっと美味だろう。 
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今もあるのかなぁ

2021年06月27日 | 回想

 本棚を整理していた、初めてではないのに思わぬ小さな冊子が見つかった。これまで、何度か整理していたのに目につかなかったということは、どの本かに挟まっていたのかもしれない。その冊子は在職中にある活動事務局を担当したとき、参考資料として月刊誌を社費で購入していがその付録らしい。

 思い出せばその活動の始まりは1970年代に2度発生したオイルショックで、中東からの原油の輸入量が逼迫し、原油が高騰、それは世界経済を混乱に陥れた。その影響をもろに受けた業種の一つである石油化学会社に私は勤務していた。第1次(第四次中東戦争)は1973(昭和48)年、第2次(イラン革命)は1979(昭和54)年だった。

 会社の業績は悪化、生産縮小や停止に追い込まれた。対策として余剰人員の活用やコストダウンなどできることは何でも取り組んだ。それは全職場で、少人数のグルーで、課単位で知恵を出し合った。パソコンなど今思えば夢の時代の活動だった。私は余剰人員の活用とQC活動の事務局を担当した。QC活動では実用新案を申請する成果も得られた。

 小さな冊子をめくりながら、模造紙や小さな紙片に原因や解決策、提案などを書き合理化や改善策を論じ合った、ときには「口角泡を飛ばす」こともあったなど、40年余り前のことを懐かしく思い出す。リモートワークの内容がさらに進化する時代に、なつかしいQCや小集団活動などが今も残っているのだろうか。そういえば「KJ法」という問題解決方式もお世話になった。こうした積み重ねが現在の技術の基礎を作り上げた一つだと信じている。
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開会式日の花言葉

2021年06月26日 | 生活・ニュース

 その個人施設は土日と祭日は閉館になる。杖を使っている高齢の男性に7月と8月の休館について受付の人が説明。「ご存じでしょうが、オリンピックのために祭日が変更になっています。お家のカレンダーと変わっているのは」と小さな紙片を渡し「海の日、スポーツの日、山の日がこのように変わっています」。男性は丁寧に礼を言い帰られた。聞いていて親切丁寧な接客に頷いた。

 オリンピック開会式まで4週間を切った。新型ウイルス禍での大会は安心・安全な内容にすると実行関係者は意気込んでいるが、千に一つの心配事も抱いていないのだろうか。安心・安全のというその具体的な内容は示されていない。関係者が安心と思えばそれが基準になるのかもしれない。

 開催中心都市の東京は感染者のリバウンド状態にある。大会中に宣言の発出を気遣う人もいる。これから急増する選手や関係者の入国についての水際対策への懸念も多く指摘されている。完全は無理、そんな言い訳はこの度は許されない。また、昼夜とも人流の増加が報道されており、開催への懸念を増幅させている。

 ある月刊誌の「7月の誕生日のはなことば図鑑」によるとオリンピック開会式の7月23日の花は「ハス(スイレン科)」で、花ことばは「清らかな心」とある。「きよらか」は新明解国語辞典によると「澄みきっていて、すがすがしさを感じさせる様子。人間の持つ醜い欲望や世俗的な汚れなどとは全く無縁で神々しさを感じさせる様子」。意味ある祭日まで変更した五輪、花ことばの理にかなうのか。
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西瓜とスイカの話

2021年06月25日 | 生活・ニュース

 知人の菜園で実りつつある西瓜の写真がアップされ、孫と収穫する日の待ち遠しい気持ちが記されている。その楽しみを奪う野鳥の目に留まらぬ工夫をこれから施すとある。菜園といえども収穫までは気を許すわけにはいかない。梅雨の終わりはまだ先だろうが、暑い日ざしを受けた西瓜のアップを待つ。

 サイコロ型に切ってパック詰めした西瓜は店頭に並んでいたが、今朝は名の知れた鳥取県産の西瓜が輪切りで店頭に並んだ。この西瓜は年に何度か口にするが、シャリとした噛み応え、みずみすしさと甘味は私の好みにあう。店頭のそれは糖度11度とある。PRを見ると玉の大きさに比べ外皮が厚い、これが鮮度と強度を保ち美味いのだという。

 定年から2年くらい過ぎたころ、人材派遣会社の契約社員として勤務している時だった。家庭の事情で首都圏から帰省した青年が就活に訪れた。盆前の暑い日だった、冷たいドリンクの代わりに冷えた「西瓜」を食べるかと聞くと何か驚いた様子。西瓜を進めると「JRのスイカかと思った」と笑う。この笑いが緊張をほぐし彼の将来に繋がったことを記憶している。

 文字にすれば違いは分かるが、言葉や発音だけでは通じない同音異義語がある。今はコロナ、太陽に係わるとは思いつかない。あめ「雨、飴」、きしゃ「汽車、記者」、はな「花、鼻」・・・。「きしゃのきしゃはきしゃできしゃした」これは「貴社の記者は汽車で帰社した」、小学生の作という。PCで変換すると誤変換に苦笑することもあるが残念ながら残していない。
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血液で認知症検査

2021年06月24日 | 社会 政治

 「認知症の検査を血液数滴で」測定する医療機器の販売が始まった。それは世界初の機器という。ノーベル化学賞受賞の田中耕一氏(島津製作所)らが開発した技術を活用した機器という。内容は、認知症の一種アルツハイマー病の原因とみられるタンパク質「アミロイドベータ」分子を少量の血液から測定するという。

 医学的なことは解らないが、アルツハイマー病はアミロイドベータが脳内に異常蓄積することで発症する。その蓄積の有無を調べる検査は、脳脊髄液の採取や画像検査で行うが、費用が高額で、その施設も限られている。機器検査で蓄積の兆候が分かれば、進行する前に治療を開始し、症状を軽くすることが期待できるという。高齢者には明るいニュースだ。

 運転免許更新で認知機能検査を受けた。検査Aは年、月、日、曜日、時刻が正しく回答されているか、Bは16種類のイラストの名前は正しく回答されているか、Cは時計が正しく描かれているか、正しく回答し描かれていれば点数がつく。点数によって記憶力・判断力について「心配ありません」「少し低くなっています」「低くなっています」と判断される。判断によって更新までのスッテプが変わる。

 国産で世界初の機器を使用して認知検査が容易に受けられる。そうなれば、例えば施設入所や老々介護が軽減されるのではと思う。それは、知り合いから聞いいている介護の苦労から想像する。高齢化対策の一つとして、数年に1度くらいこの検査が受診できるよう、秋に行われる選挙公約に掲げる政党が現れて欲しい。
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アプリのトラブル?

2021年06月23日 | 生活・ニュース

 私が気づいたのは昨日の午後2時半ころ。SMSで連絡しようとスマホ(アンドロイド)を開くと「『Googl』が繰り返し停止しています」と現れるが私には意味不明。それでも思い付きのことを操作してみるが消さない、スマホを持って初めてのこと。メカに疎くて分からないが、ここにPCから連絡をというメッセージが表示される。そこは有料でトラブル解決方法を教えてくれる企業、相談はしなかった。

 購入元の地元ドコモに電話、話し中が続くが何とか繋がる。その対応に追われている様子らしい。「グーグルさんのトラブル、復旧までお待ちください」、と自社のことのように丁寧な応当に明るく「分かりました」と電話を切る。復旧に気づいたのは4時間くらい経過していた。

 これまで報道でシステムトラブルが原因で金融や物流、通信に交通など大きな障害や影響が発生し、時には世界的に混乱を及ぼすことがある。幸いなことに、これまでこうしたことに一切影響を受けたことが無く傍観者だった。ただ、便利な、の反対は不便では済まない大混乱を引き起こすこともあるんだ、そんな認識は持っていた。

 内容の大小は別にして初めて出会ったトラブル。「トラブッテいます」ということを発生元がネットなどで速報できないものかと素人考えをしていた。そうすれば素人も安心して待てる。対処方法を記したネット情報はいくつかあったが、どれも私のスキルでは対処できない内容だった。待って復旧、万歳ということだろう。
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梅雨の晴れ間

2021年06月22日 | 生活・ニュース

 梅雨の中休みか、梅雨前線は日本列島の南方海上にはっきり姿を示したままに留まっている。原因は北から南下する寒気の影響という。この寒気の影響で北日本方面の天気は荒れの予報になっている。西日本も、今週末からの梅雨前線の北上に合わせて梅雨らしい雨模様になる。梅雨ひと休みというところであれもこれも済ませたいことがある。

 図書館から出たところで長くご無沙汰の知人に出会った。大きな木の下でマスク越しの挨拶と近況の交換。新型コロナワクチンは共に2回接種済みでだが、このところの自粛生活の中ではお互い大きな変化やめぼしい情報もなく笑いあう。まあ、互いに元気なことが何よりと分かれる。

 コロナの緊急事態宣言は沖縄県を除いて解かれまん延防止等重点措置に移った。大都市の飲食店の状況ばかりが報道されているが、自粛中の地方の高齢者からみれば「感染はおさまっていないのにどうなっているの」と映像を見ている。梅雨の晴れ間に経済のために夜の街に出るのだろう。「インタビュー人出多いと答えるあなたもその一人」と見ている。

 南下している梅雨前線の南方で熱帯性低気圧が発達中、この熱低は24時間以内に台風5号に発達する見込みと情報あり。予報通り台風5号となり北上すると、梅雨前線を押し上げることになるだろう。コロナ禍だけに被災への備えを十分しなければならない。五輪開会まで1カ月、気の抜けない梅雨のひと休みに工夫を凝らしておこう。
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認知機能検査

2021年06月21日 | 生活・ニュース

 高齢運転者の事故防止を目的とする、改正道交法で注目される運転技能検査の内容が明らかになったとして、「JAFMate 7月」に「75歳以上が対象 変わります、高齢者の免許更新」という大きな記事が載っている。ちょうど今秋の免許更新に向けた認知機能検査を受ける直前の情報となった。なんとしても認知検査は一発でクリアしなければ、少々プレッシャーを感じながら検査を受けた。

 親戚や近所の最近更新を済ませたした人らが認知検査の総合得点は満点だった、という情報がいくつか耳に入ってきた。プレッシャーを掛けるな、と言いたいが事実だろうから口には出せない。その日が来た。仲間は10人だが全員初対面、ほっとする。初めて検査を受ける人が経験者から内容を聞き出している。気持ちは分かるが焦りにならなければと、聞いていた。

 検査は約30分で終わる。採点を待つこと約30分、試験官が検査結果通知書を各人の席に届ける。満点だった、総合点による判定は「記憶力・判断力に心配はありません」、次は高齢者講習の申し込み、来月下旬の受講が予約できた。

 JAFの記事による私の感想(図参照)。新たな免許更新は当然ながら厳しくなる。75歳以上は一定の違反歴があると、「運転技能検査(繰り返し受験可)」に合格しないと認知機能検査が受けれない。技能検査に更新期間満了までに合格しないと免許更新ができなくなる。対象となる違反、携帯電話使用、踏切不停止、信号無視などは当然としても、うっかりで犯しそうな違反もあるが許されなくなる。来年6月までに実施予定とある。事故を起こさない運転をしよう。
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