小さな朝市、予定の買い物を終えレジに並んでいるとき前の主婦の会話が聞こえる。前回の開店日にタケノコを買ったらきすくて(硬くて)食べれなかったと言いながら、プラ製のケースで並んでいるタケノコを指し「これと同じ、もう食べれんよね」という。相手の人はさわり、納得したようにうなずく。
それは穂先から50センチくらいの長さで切りそろえてあるが、その切り口を押さえて見たが確かに硬い。伸びすぎた先端を出荷した、経験からそう思った。歯ごたえのいいのを好むが、その箇所は竹に近い。そこはある団体の婦人部が開く朝市で、通りがかりに見るがいつもにぎわっている。婦人部の開く市にどうして並べられたのか、主婦二人の会話は続く。
今年は「不作。いやけっこう出る」両方の話が聞こえる。いただいて食べている者にはわからないが、これを職業とする人にはどちらに傾くかわ大きな問題になる。タケノコが工場製品なら品不足になれば増産も可能だが、旬の時期しか収穫が効かないとなると深刻だろう。竹林に係わっている人が「盗人も多い」と話す。早朝、県外ナンバーの貨物車が竹林の傍にとまっているのをよく見かけていた。
伸びて困る人もあれば、通販で買い求め旬を味わう人もある。「朝掘り新鮮 ぬか付き」という売り言葉、それは自慢の一品だろう。今、我が家はありがたいと感謝しながら贅沢にいただいている。