赤色と黄色の千両の実を残さず食べ終えたら小鳥たちは来なくなった。
毎年実がつき食べころになると小鳥が姿を見せ始める。食べころは小鳥が教えてくれる。実がついても直には食べなにこない。見た目には分からないがあるときから食べ始める。美味しくなる時期があるのだろう、ひとりそう思っている。
小鳥が食べ始めると見る間にその実の数が減る。少し楽しませてとネットで覆って近づけないようにしておく。それは気休め、上手くかいくぐって入り込む賢い小鳥もいる。
もういいでしょう、とネットを外すと待ち構えていたように飛んでくる。千両の柔らかい茎には大きな小鳥はむりでメジロが多い。上から下へ、茂った葉の間まで入り込んで残らず餌にする。可愛いその姿からは思いづらい貪欲さがあるようだ。小さな生き物が生きていく術だろう。
先日、すっかり実の無くなった千両のそばのブッロクの上に4粒ほどの種を見つけた。「今年も頂きました」という小鳥からの感謝の置き土産だろうと手にとって見たが、何の種かは分からない。分からないが千両の根本に埋めておいた。
芽が出て膨らんで…そんな歌のようなことにはならないだろうが、春、いや夏かもしれないが何かの芽が見られたら、そのときは小鳥へのお礼としてブログで紹介しよう。
(写真:小鳥の置き土産は何の種だろうか)