24節季のひとつ啓蟄、冬ごもりしていた虫たちが地上に出て活動を始める時分という。冬ごもりしていた虫は爬虫類、両生類、昆虫類などが穴から出てくる。そのころには早朝の最低気温が5度以上になっているそうだ。
冬至の日、害虫駆除のため公園の松の木へこも巻きが行なわれた。啓蟄の日にそのこもを取り除くことが風物詩になっているが、今日それが行なわれた。取り外したこもは虫と一緒に焼却されるそうだ。
虫とは「秋に鳴く虫をひっくるめていう」と書いた本があった。鳴かない虫は虫でないのか、虫のいどころが悪いと聞きたくなる。人間は勝手に益虫だ害虫と区分けしてチョット優越感を感じている。虫からすれば腹の虫が納まらないだろう。
終戦直後の小学生時代「虫下し薬」を飲まされた。別名を海人草(かいにんそう)。これは海産の紅藻に甘草や大黄をなどを加え煎じた薬だそうで効能は回虫駆除。黒茶色の苦くて飲みにくい液体をスチール製の椀で飲んだ。後で甘い物を貰ったような気もする。おかげで回虫は寄生しなった。
入学や就職で親元を離れこれからひとり暮らしが始まるという若者がある。「悪い虫が付かないように」と言うのは親の心配する気持ち。特に娘さんの場合は何故か男親の心配が強い、経験者から聞いた。蜘蛛の巣に掛からないよう頑張って欲しい。
霞ヶ関や永田町の住人は冬眠もせず動いている。いろいろ言われているが、庶民の「虫の居場所」がこれ以上悪くならないよう、啓蟄を期にいい政に専念して欲しい。
(写真:公園で見かけた5㍉ほどのてんとう虫)