日々のことを徒然に

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原風景

2009年03月06日 | 生活・ニュース
               

水墨画は「墨の濃淡やぼかし、にじみなどによって対象を表現する東洋絵画の描法の一種で、膠(にかわ)質が強くつやのある墨や、やや青みを帯びた青墨(せいぼく)など、墨の色にも微妙な変化があり、その味わいは深い」とされる。

昨夜からの雨が続く。錦帯橋や錦川、岩国城とそれをいただく城山は薄い薄い墨を流したようにかすみ、どこから切り取っても一幅の水墨画になるようなこころ静まる濃淡の風景がひろがる。

四季を持つ日本の風景は折々の色にあふれている。それを留めるために人は飛鳥の時代、もっと古くから自然のものを工夫しながら色を作り出し、歴史を刻む美術品を作り残してきた。

そのなかには今は見ることが不可能な過っての山川草木が描かれたり、信仰にも繋がるような敬虔なものもある。自然を自然のままに描いたこれらには、科学と技術の粋を取り入れた現代の絵画とは異なった訴える力がある。

白と淡い黒の段階的な空の色調、太い幹と繊細に伸びた木々の黒い線、色が誕生するまでに描き続けられたのはこんな自然なんだと、自然が描いた絵を眺めた。

(写真:自然が描いた水たまりの水墨画)
コメント (4)
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