フロイトとアドラーの心理学(和田秀樹)

2015-04-15 00:00:01 | 書評
tradアドラー心理学の人気が沸騰している。そのあたりをよく考えていると、そもそもアドラー心理学というのは、心理学なのかということになっていく。というか現代的にはフロイトを基準に考える癖がついているわけだ。

そして、この二人の他に忘れてはいけないのがユング。どうもジャンケンのような3すくみ状態と考えてもいいのかもしれない。深層心理という分野の中でも「幼児期の性的抑圧」にこだわるフロイト、アドラーのこだわりは劣等コンプレックス。そしてユングは無意識下の意識の根源として民族の記憶である民話などをさがす。

で、今、アドラーが人気なのが、精神病の治癒という観点からのようだ。現代社会に流れる鬱の精神、あるいは適応障害といった病名。これが、フロイト的な方法だと治らないということらしい。潜在意識を探ったり、トラウマになっている事象を無理に思い出させたりして、それを乗り越えさそうという治療法は、ほとんど失敗に終わっている。むしろ、忘れかけていた患者の記憶の中に再び姿を現わしたり、逆効果なのだ。

つまり、フロイト理論は、精神分析の学問的な到達点ではあるが、病気を治すという観点でいえば、うまくいかないわけだ。

言い換えれば、学問か治療かということになるのだろう。

オーケストラ!(2009年フランス映画)

2015-04-14 00:00:06 | 映画・演劇・Video
ボリショイ管弦楽団の元指揮者が、ふとしたことでパリでコンサートを開くことになる。

30年前、ブレジネフ時代に楽団には多数のロマとユダヤ系市民がいたのだが、KGBが手先になり彼らを、そして指揮者を破滅に追い込んでいった。そして、おちぶれた指揮者は清掃員として勤務していたのだが、パリからボリショイ楽団への出演養成のFAXを見つけ、本物になりすますことにする。そして、散り散りになっていた、過去のメンバーを集め、自分をクビにした元KGBをマネージャーに仕立てて、パリに向かう。

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演目は、チャイコフスキーのバイオリン協奏曲。有名すぎる曲であり、ソリストを誰にするか。指揮者が選んだ美貌の女性バイオリニストは自分の出生の秘密を知らないという不幸を抱えていた。

これで、映画としてのテーマは、昔の仲間が集まって、リハもなしに本番演奏するという所謂「昔スイッチ」と、「出生の秘密」という方向に向かう。あえて追加すると「なりすまし発覚のおそれ」ということになるが、発覚してしまうと映画が完成しないので、あくまでもつけたしだ。

さらに、ロシアの石油王やマフィア、現代の共産党とかが付合せになる。

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で、誰しも、ソリストの父親が指揮者ではないかと深読みするのだが、そうではなく、そこにもまたチャイコフスキーが関係する。そして強制収容所。

フランス映画ではあるもののロシア人に好感をもっているようなそうではないような微妙な味がある。

よく考えると、30年経って、皆が集まって、ボロボロ状態から復活というのは日本映画「少年メリケンサック」と同じだ、というより我々になじみのある言葉で言えば「同窓会」ということかもしれない。

たまに、旧友と会う事はあるが、「昔スイッチがオンになること」はいままでなかったのだが、今後あるのだろうか。(スポーツ系はポックリなりそうだし、頭脳系もボケが入るし、無理かな)

14金

2015-04-13 00:00:44 | マーケティング
先週(4月3日)、「うぉ~た~葉一郎になる」の中で、WATERMANの万年筆を買って、Mysterious Blueのインクを使うという話を書いたのだが、調べているうちに、使用終了にしようと思っていた古いSHEAFFER の万年筆がオークションで8,500円で売られていることを知って驚く。40年経って買ったペンの80%の価格が付いている。14金のペン先だからだろうか。

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で、ネット上で調べてみると、1970年代に売られていたSHEAFFER PFM 3というモデル(PFM=Pen for Men)かSHEAFFER Imperial 330のどちらかだろうということになった。

ということで、現役復帰決定。

インクは、人気のペリカンのブラックを詰め込む。そして、さっそく・・

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ペリカンの黒インクとなれば、次々と原稿を書くしかないではないか。以前、電通の地下売店で買った、電通マン専用の原稿用紙に、さらさらと書き始めてみた。

この分では、そのうち、ペリカンの万年筆もらえるかもしれない。


ところで、話は変わるが、後藤さんと湯川さんの事件の時、後藤さんは太宰治の「走れメロス」を読んでいたのだろうと思った。歴史上、そういうことは一度も実現しなかったのだろうとも思っていた。

若冲と蕪村

2015-04-12 00:00:07 | 美術館・博物館・工芸品
サントリー美術館で開催中の「若冲と蕪村」(~5月10日)展へ。

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生誕300年記念である。それも両者ともである。つまり同い年。1716年(正徳6年)。

実は、この二人は交遊があったのかなかったのかはっきりしないようだ。二人に共通の知人というのは数多くいるし、同じスポンサーの仕事を受けていたりするので、相手のことを知らなかったことはないだろうが、それ以上は研究家に任せるしかない。

しかも、最初から画家の道を歩いた若冲とは異なり、蕪村は江戸で俳句作りに勤しんでいた。そしてきっかけは蕪村の方が先で、師匠の死により旅に出ることになる。芭蕉のように。そして京都に転居してからは、中国風の豪快な絵画を手掛けるようになる。俳句は美しいほどの写実主義だが、絵画も人よりも風景に豪快さが見える。

そして、本展は、思っていたよりもずっと大量の作品が出品されている。現物にあたると、今まで美術全集などで見ていた作品が、意外に大きかったり、逆に小さかったりするもので新たに発見を得るのだが、そういうことが多く、日本画の可能性について色々と思うところができた。

そして、これから行こうと思っている人たちには、申し訳ない情報だが・・・

大変、混雑している。

介錯人は

2015-04-11 00:00:59 | しょうぎ
にわかに応援していた熊坂学五段について、とうとう強制引退ということが将棋連盟から発表された。10年前に、最下級C2リーグで3回降級点を取り、フリークラスへ編入。10年間に規定の成績を取らなかったからだが、10年目の今年度に奮起したものの規定の17勝に2勝届かなかった。現在進行形の竜王戦トーナメントで破れた時点で、すべての棋戦からグッバイになる。

そして、その最後の対戦相手、つまり引退が決まっている人に止めを刺す役目、つまり介錯人は誰かということだが、その前に原因となった10年前のC2リーグだが、なんと5名の棋士がフリークラスに落ちていた。そのうち二人(前田八段と小阪七段は10年ルールの前に60歳定年の方が先に来て引退されている)。残る三名(熊坂、大島、安西)が10年満期を務めたわけだが、大島七段は3月中に最終対局を終了。

4月以降に対局がずれ込んだのが安西六段と熊坂五段。しかし、安西六段の延命は、僅か1日だけ。4月1日に石井健太郎四段の介錯を受ける。そして、熊坂五段の介錯人にも石井健太郎四段が登場する可能性が十分あるようだ。

実際、引退決定しているわけなので(トーナメントを全勝した場合はどうなるかよくわからないが、それではゾンビー棋士になってしまう)、負けてあげても大勢には変りはないのだろうが、八百長やるわけにはいかない。二人目なら、感性も麻痺してしまって、案外「ごっつぁん」と思っているかもだ。

しかし、彼は、今泉氏のプロ入会試験で負けてしまい、プロの人数を一人増やしてしまうという失態を犯し、全棋士の一人当たり平均年収を1%程度減らしてしまったことにより、仲間の白い視線を浴び続けているだろうし、何としてもお勤めを全うしなければならないだろう。

人斬りケンちゃん。

こうして、ほとんどのプロ棋士は棋士としての最後の一局が黒星になるという仕組みなのだが、例外はあるのだろうか、といえば少なくても一人は白星で終わっている。

中原誠永世名人。2008年8月12日。木村一基八段戦で勝ったあと脳梗塞を起こし、その後引退。介錯人がいないわけだ。ただ、引退した彼も、そろそろ最後の仕事として、重要なスピーチの用意をはじめているのかもしれない。


さて、3月28日出題作の解答。

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最後の2手は、△1一玉 ▲2三桂でもOK。

2二に2回も捨駒が現れる。後手方は初手以外は王将が動く手である。

動く将棋盤は、こちら



今週の問題。

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軽い手筋と言いたいが、手筋としてはみたことはないかも。一桁。

わかった、と思われた方は、コメント欄に最終手と総手数を記していただければ、正誤判断。

一本足打法

2015-04-10 00:00:56 | あじ
4月になると、さっそくセブンイレブンの棚に「冷やし中華」が並んだ。

ちょっとネーミングが読みにくい。

ツルッとのど越し!彩り冷やし中華(税込460円)。

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実は、「彩り」というのが読めなかった。「さいり?」。数時間後に思いつく。「いろどり」だ。しかしふつうは使わない。冷やし中華が何色かの具によって飾られるのは、当たり前だからだ。むしろ、「ツルッとのど越し」というのが不思議だ。うどんじゃないのに、冷やし中華ののど越しにこだわる人って知らない。

つまり、商品の欠点ではないが、食べる時に、冷えて固まった麺の塊に、まずスープをかけて、前もって箸で麺をほぐすわけだ。そして後で各種の具をトッピングする。この固まった麺をほぐすために、麺の表面に何らかに加工が施されている。このため、のど越しがツルッとしてしまう。

してしまうものを、意図的に作ったかのような商品名を付けたに違いない。まあ、あまりこだわらないが。

そして、なぜ、4月になるとセブンは冷麺を売り始めるのだろう。あれば年中売れると思うわけだ。さらに、他のチェーンもセブンに追従する。ちょっと価格は低くしてだが。

たぶん、半年間、店頭から姿を消すと、次に登場するときには、前の価格を覚えていないからだろう。460円というのは、やや高いが、すごく高いわけじゃない。他社よりも高くても美味ければ売れるということだろう。

実際、昼食はコンビニに頼っているのだが、5点満点でいうと、セブン5、ファミマ4、ローソンとサークルK は2といったところだ。ローソンは在庫が少なすぎる。


そして、牛肉おろしぶっかけうどん。こちらも460円。

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セブン&アイホールディングスの決算は好調だが、セブンイレブンだけが利益を出している一本足打法経営と言われているのだが、どうなるのだろう。確かに私もスーパーはイオンに行くけど。イオンこそ、格安品ばかり並べずに少しは普通のものを増やせばいいのにと思うわけだ。

ローソンとファミマは電子マネーとポイントカードが別で、二枚必要ということで、大失敗しているのだろう。急ぎのときには困るよね。

流れている5月16日説

2015-04-09 00:00:52 | 市民A
20年前、1995年5月16日に山梨県の教団本部に潜んでいた教祖が逮捕され、その後、死刑判決が確定している。同事件全体で死刑判決は13人に及んでいる。「弁護士一家」「松本」「地下鉄」が三大事件とされ、そのすべてに教祖は関連しているといわれる。

そして判決が確定したのが2006年であり、すでに長い期間が経過している。確定がもっと後の死刑囚に対する執行が行われている状況で、実際には法務省というか時の政府の意志に任された状態と考える状況である。

そして浮上したのが、5月16日説。地方選も終わり、土曜日の午前ということであれば、社会的混乱も少ないということなのだろうか。もちろん、日本は法治国家なので、いきなり首相の一言で事が進むわけではなく、事前の手続きには約半年必要とされている。もし5月というなら、すでに最終段階ということだ。

今まで行われてこなかった理由としては、3点が挙げられている。

 1.心神喪失状態の疑い

 2.共犯者の逃亡

 3.執行後の社会的混乱

1については、刑事訴訟法479条で、法務大臣は刑の執行停止を命じる必要があるが、実際には執行停止にはなっていない。詐病と認定しているのか、あるいは、いずれにしても執行停止にしなくても執行しなければ同じことと考えているからかは不明だ。詐病状態を続けると、本当に病気になるのかどうかは専門的知識はないから何とも言えないが、そこをクリアする必要はあるだろう。ただし、トップが逃げ切って配下のものが執行されるということはあるのだろうか?実際そういうことは過去にもあったから。

2については教祖についてはクリアされたと思われる。逃亡者はいなくなった。今の状態で教祖が証言することはできないだろうし、その必要はない。逃亡者の一人は、教祖以外のものへの執行を遅らせるために出頭したといっている。

3については大問題だ。大きくわけると後継団体による復讐と殉教。そして布教活動の活発化だ。決定的な対策はないだろう。あえていえば後継団体の信者が増えれば増えるほど執行できなくなる。むしろ5月16日説を流し、それに対して団体側が準備する前、2日とか9日とかの可能性すらあるのではないかとも感じている。

それと、おひとりさまの旅になるのか、同伴者との旅になるのか、これも難しい問題で、逃亡共犯者の裁判はまだ長く続くのだろうから、お供は12名のうち、当面は2、3人になるのかもしれない。


*困ったことに、5月16日は、「旅の日」となっている。326年前のこの日、松尾芭蕉が「奥の細道」の旅に出た。俳諧師であり幕府の隠密だった芭蕉は、伊達藩の捜査という重要な任務を遂行するため、ぶらり俳諧の旅を隠れ蓑にした。

声を失ったシンガー

2015-04-08 00:00:02 | 音楽(クラシック音楽他)
つんく♂氏が声帯摘出を公表。古くは、ベートーベンが聴覚を失ったり、印象派の総帥であるモネが視力を奪われたり、才能を持つ人は、それを失う時、大きな喪失感を味わうのだろうと想像するに難くない。(聴覚のない作曲家を自称する人もいたが)

ところで、よく考えてみると、現代の科学の力をもってすれば、彼が頭の中で考えた声をすぐに発声することは難しいだろうが、作曲した曲を、彼の声で人工音声で復元することは、そう難しいことではないように思う。彼の声を復元するための音源は、過去のCDや出演番組のビデオなどから豊富に手に入るだろうし。

視覚や聴覚の喪失ならば、かなり無理だろうが、声なら可能だと思う。さらに口パクと組み合わせれば、同じレベルになるではないだろうか。

本人は乗り気にはならないだろうが、人類の進歩のため、トライしてほしいな。

徳島空港タッチ&ゴー

2015-04-07 00:00:30 | 市民A
4月5日11:00頃に起きた重大インシデント。画像をみると、かなり危ない。

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副操縦士が前方車両に気付き、機長が再離陸を決断というか決行したのだが、普通は自動着陸を選んでいたはずだから、緊急事態である。たまたま、車両との距離があったのは、ただの偶然だ。踏み潰していたかもしれない。そして、主翼下の後輪でタッチしてすぐ離陸したが、車両の上を通過した時は、50メートルぐらい上を通過している。

着陸してから気付いていたら、速度が落ちていて、すぐには上がれなかっただろう。つまり衝突。

映像的には、車両の方も後の機体に気付いていないようだし、すごい音が聞こえたはずなのになんだろう。

早い話が、工事業者の方もダイヤの確認とかしないのだろうか。徳島空港にはANAとJALとで12便(つまり離発着で24回)が13時間の間に滑走路を使用している。30分に一回程度だ。

運航時間表を見ると、JAL455便が着陸するのが10:55だが5分後の11:00にはANA便が離陸することになっている。つまり、地上工事をしてはいけない時間帯である。JAL455が到着する前は10:10に着陸と45分間隔、そしてその前は1時間間隔がある。

もちろん管制官の指示によるのだろうが、相当なピンボケ人間なのだろう。


ところで、似たような事例を体験したことがある。某国の首都の空港なのだが、バスが乗客を飛行機に乗せるため滑走路を走ろうとした時に、急にハンドルが切られた、立っている人が全員床に倒れるということになった。転ばなかったのは、バスだけ。そして、1秒後、その横、数十メートルのところを猛スピードでジャンボジェット機が通り過ぎたわけだ。

大阪ではよくある話、でもないようなあるような

2015-04-06 00:00:30 | 市民A
浪速のエリカ様といわれる上西小百合議員の国会病欠問題とか、不倫旅行とか恐喝秘書とか、大阪ではよくある話じゃないか、と思っていた。大阪で1日ブラブラしていると、かならず殴り合いのケンカを見るし、市長だって同穴じゃないないか・・

というように思っていたのだが、橋本氏同席の記者会見の全文を読んでみると、意外なことがたくさんわかった。登場人物は大勢いるし、全然、違う事件があるみたいな感じまでする。

まず、問題の診断書だが、ウイルス性腸炎と書かれているコピーが出回っているが、本人は、ウイルス性か過敏性かわからないが腸炎で3日間の静養といわれて診断書の入った封書は封印されていたので、見ていない。自分が見ていないものが公開されている、ということだそうだ。

また、当日、はしごをしたのは、政界に影響力のある医者の先生と一緒で断れず、その先生の患者さんが出演するショーパブ(金魚)にいかなければいけなかった。さらにビタミン注射を打たれて、少しは元気になったものの、ほとんど飲み食いしていないとのこと。(患者がゲイのショーに出るというのは、そういう手術をする先生ということ)

それで、本会議の日に大阪に戻って、自宅で療養し、14日は休んで15日は秘書の実家に行ったり、衆院選の時にお世話になった知人に会っていたとのこと。

後日の関テレの取材の時には、どこの局かもいわずに5人が5台のカメラをもって集まってきて、心斎橋の上で通行人や上西氏まで負傷する事態なので、秘書が荒っぽく言ったそうだ。

さらに、橋本情報だと、関テレのクルーの中に、小選挙区での対立候補の自民党T議員の関係者が含まれていて、維新の党に対するイメージダウンをマスコミを利用して行っているということだそうだ。

さらに余計な話だが、この秘書は独身であるわけだから(不倫)という言い方も変だし、旅行というのはこの秘書が知人女性と行っていたということで、人違い、という誤報道だったようだ。

橋本談では、後日の話はともかく、13日の会議に出られなくなった12日の行動が大問題ということだそうだ。ただ、本会議を欠席する議員はもともといる、とも言っている。


ところで、「エリカ様」というのは沢尻エリカに由来するのだろうが、どうも容貌が少し似ている上、行動も少し似ている、ということだそうだ。本家エリカ様は「別に・・」発言や、妙な男との関係などから、その数倍の真偽不明のバッシングを受けたものの、最近は、「普通に」女優をやっているようだし、よく考えれば、単に統一地方選挙の中の醜い誹謗バトルだと思えば、やはり大阪的ということに過ぎないのかもしれない。

「GREAT APES 森にすむ人々」(前川貴行写真展)

2015-04-05 00:00:02 | 美術館・博物館・工芸品
ma六本木の富士フィルムフォトサロンスペース2で開催中(~4/9)の「GREAT APES 森にすむ人々」(前川貴行写真展)。

野生動物写真家の前川さんの作品は、公式HPで見ることができるが、拡大された写真のプリントを見ると、それらの奇跡的な瞬間を共有することができる。

動物にもそれなりに表情はあるが、なかでも類人猿の仲間の表情は豊かだ。人類に近いということもあるだろうが、顔だけでなく体全体で感情を表現するのは人間以上なのかもしれない。

4種の類人猿(チンパンジー、オランウータン、ゴリラ、ボノボ)の生息地に潜入し、単に遠くから望遠レンズで撮影したとは思えないほど何の警戒もない彼らの素顔を撮影。

作品の美しさに驚くだけでなく、どうやって撮影したのかと感心を超え驚愕してしまう。

HPでみると、結構、危ない動物(虎、ホッキョクグマ、ヒグマ)なども手がけているようで、さすがに望遠レンズ使用ということだが、秘境の撮影となれば危ないのは肉食動物だけではなく密猟者や海賊、忍び寄る毒蛇やワニなどさまざまだ。くれぐれも気を付けてもらいたいところだ。


わたしも、先日、新しい望遠レンズを購入したばかりなのだが、当面は動物園などの檻や空堀の中の動物でも狙うかなと思うが、某所で立入り禁止の柵の中にカメラを持った右腕を精一杯伸ばしてアングルとろうとしたところ、アラームが鳴り響き、慌てて逃げ出すという失態を犯してしまったのだ。

幻の城

2015-04-04 00:00:11 | しょうぎ
何冊か詰将棋本を購入。勉強のため。

まず、『幻の城』(三輪勝昭氏)。途中からは曲詰集になっている。初型が持駒なしの図が非常に多い。曲詰は持駒ゼロルールだったかなと思って調べてもそうではないようだ。

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時間の関係で、ソフトで解いてから解説を読んで、難しいところは、さらにPCで解析。10題ずつ解いてから、もう一度、解いた手筋を自力で思い出すことにする。それでも約100題を2週間ほどかかる。

大変不思議なのは、解説者は数名の方が分担しているのだが、ほとんどの解説者が作者に対して批判的な意見をならべている。かつて読んだ色々なジャンルの本でも、解説者が著者に冷淡というのは記憶にない。原稿料が超超格安だったのだろうか。


さて、3月21日出題作の解答。

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▲1八馬 △同玉 ▲1九金 △同玉 ▲4五桂 △2九玉 ▲2八馬まで7手詰。

自分の駒(桂)が逃げるという、倒錯型問題。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。

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新型エレベーター。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

岡山&鳥取アンテナショップ

2015-04-03 00:00:47 | マーケティング
かなり遅ればせながら、岡山県が東京の新橋にアンテナショップを出店と聞いて、探してみると、新橋駅銀座口の交差点のはす向かいに地味なカラーのショップを発見。

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よくみると、岡山だけではなく鳥取と共同である。あまり自信がないから隣の県を巻き込んだのだろう。といっても岡山と鳥取では、南北の関係。

実は、年末のあいさつツアーに岡山から東京に向かう際、手土産に苦労していた。なにしろ、岡山の手土産といえば、重い物が多い。

きびだんご、むらすずめ、大手まんじゅう。無難のところは「きびだんご」だ。もっとも、桃太郎=大和朝廷、鬼=半島勢力、猿、雉、犬=地方豪族、きびだんご=成功報酬=領地
と真のキャスティングに置き換えると、そう心安らぐものでもない。

そして、きびだんごを持ち歩くと、何しろ重い。わたしは桃太郎じゃない。となると、東京できびだんごを調達できる店がいい。

以前も、「三越本店」にはきびだんごが置いてあったのだが、なにしろ注意点があり、『売り切れることがあります』とのことだ。それでは、話にならないだろう。アンテナショップがあれば、きびだんごが売り切れたとしても代替品は多数あるので、問題なし。

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店内を見るだけでは、他県のスパイのように思われそうで、とりあえず三品購入『星のトマト』『海燻牡蠣』『焙り甘えび』。実は、『星のトマト』は思いの他、珍味である。お酒を飲みながらテレビを観ることが可能だ。ポテトチップとかスナック系だと不健康だ。

ただし、言い方を考えれば、『冷やしトマト』を乾燥させたもの、ということができる。

うぉ~た~葉一郎になる

2015-04-02 00:00:50 | マーケティング
長く使っていた(というか使っていなかったというか)万年筆が、そろそろ引退ということになり、とりあえずペン先も14金からステンレスに換えてみた(金から鉄へ)。早い話が輸入万年筆の場合、金だと高い。結構、書くのが速いので固くかつ滑らかというのがいいのだが。

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ということで、私らしくパーカーやモンブランやペリカンやパイロットじゃなく、「WATERMAN」。フランス製だ。インク漏れのリスクは高いかもしれない。メトロポリタンDXという名称が与えられている。表面に床柱の杉のような模様がある。

選んだインクは、英語名でMysterious Blue。書いた時は、ブルーブラックだが、時間がたつと、やや茶色に変色するそうだ。だからミステリアスブルー。なんだか欠陥品じゃないかと思ったりするが、気に入らなければインクを変えればいい。

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で、せっかくなので、文字を書いてみる。

WATERMANにちなんで、うぉ~た~葉一郎

いい名前だ・・・

紙の月(角田光代著)

2015-04-01 00:00:06 | 書評
kaminotuki宮沢りえ主演で映画化までされた小説。実は、角田光代の小説は、文体が合わないせいか、読むのに少し疲れることが多い。何度かにわけて少しずつ読み進んでいった。

銀行に勤める女性行員(契約社員)が、横領を繰り返し約1億円を夫以外の男につぎ込む筋なのだが、あらかじめこの主人公(梨花)がタイに高飛びしたところから始まり、その後で元に戻って犯行をはじめたところに戻るので、ある意味、精緻に犯行の手口を書いても、到達点を想像してハラハラする必要はない。

それにしても、偽造証券の作り方など、かなり細かい描写があって、書類の偽造とかしたことがなるのではないかと思われるのだが、角田光代の描写というのは、ずいぶん細かいところがあると思えば、おおまかな部分もあり、そのあたりが読んでいてペースがつかめない一因なのかもしれない。

ある意味、横領の手口の裏側で浪費の描写があるのだが、なんとなく、横領すればするほど、おカネを浪費するという描写は、自分が湯水のように浪費しているようで、ちょっとワクワクしてしまうのだが、私も病気なのだろうか。

そう思えば、この小説の読み方というのも、『犯罪小説』というカテゴリーで考えるだけでもなく、『際限のない浪費』という人間の欲望を描いたものだ、と言うことさえできることに気が付く。いや、作者は違うことを書きたかったに違いないだろう。