徳川吉宗(井口朝生著)

2015-04-27 00:00:28 | 歴史
yoshimune徳川将軍は15人いるが、有名ランキングを作ると、1.家康、2.吉宗、3.綱吉といったところだろうか。慶喜、秀忠、家光というのが第二ランキングだろうか。どうも一言でいうと家康(狸)、吉宗(ケチ)、綱吉(犬)というところだろうか。慶喜(チキン)、秀忠(関ケ原遅刻)、家光(漁色)。

吉宗については、ドラマ「暴れん坊将軍」の松平健のイメージが強すぎて、どうも世間に誤解を多数生じさせている。

以前、国立公文書館で調べたところ、大変な読書家で、幕府の図書館でもある紅葉山文庫の多くの本を読み、読んだ本を記録したそうだ。たぶん、大衆小説や漫画などは読まないだろうから、暴れん坊将軍の原作を読むことはなかったろう。その後の将軍たちは、吉宗と読書量を比較されないように、読書自体をあまり行わなかったようだ。

しかし、本書には読書の話はでていない。

暴れん坊将軍での吉宗は、ボディガードの男女の忍びを連れて街中を歩き回るが、実際に市井を見聞していたのは、ライバルである尾張の徳川宗春の方だった。あまり市民や下層武士の実情を見てしまうとケチ政策はできなくなってしまうものだ。

そして、ケチで読書家の吉宗のもう一つの趣味が書かれている。

好色

十代の頃から、近くにいる女性に見境なく手を出す。妻妾にあきたらず、江戸城内の女中たちの中に好みがいると、「あの者は、何と申す」と言うと、
ただちに、お蒲団の用意が始まるわけだ。

名前が残っている数多くの女性の他にも、懐妊させてしまって、部下にコブ付きで拝領させたものが約10人ということだ。許嫁がいるものでもお構いなし、人妻の場合は、夫に離縁状を書かせてから略奪。さすがに法治主義者だ。

多くの女性は二十代で亡くなっていて、いささか不思議な感じがある。

大岡忠相は深く捜査しなかったのだろうか。下半身暴れん坊将軍。