007シリーズ、第8作、第9作

2015-04-22 00:00:00 | 映画・演劇・Video
第8作、『死ぬのは奴らだ』。ジェームズ・ボンド役にロジャー・ムーアが初登場。ショーン・コネリーの重厚さと異なり、軽さと現代感覚が特徴だ。

本作では、カリブ海の某国にケシ畑を展開して、ヘロインを無料で配ろうという犯罪グループが登場。無料で配ると、犯罪組織が壊滅するのではないかと思うが、本当の狙いは、既存犯罪組織が壊滅すると同時に中毒患者が増加することで、新規参入する自分たちのグループが利益を独占するという構造だ。

独占禁止法の違反行為でもある。日本でもガソリンスタンドなどで一般的だ。格安価格で販売し、同業者が閉店。そこで高値で販売しようというのだが、実際には、うまくいかない。ロジャー・ムーアが組織構成員の99%を、ワニやサメに食わせなくても、たくらみは失敗したような気がする。

ボンドガールは、カード占い師。よく当たるようだ。映画で使われた占い用のカード、欲しいな。開業できそうだ。

一方、本作でのジェームズ・ボンドは、タクシーやレストランで、何度も同じパターンで捕まってしまう。ショーン・コネリーの時には、そういうことはなかった。知能が低いのか、ロジャー・ムーアの方が3歳高齢なので、チョイボケなのだろうか。敵に捕まる回数は、シリーズで最高回数ではないかと思うが、そんなランキングは見たことはない。

ところで、ボンドは英国のスパイだが、英国内で暴れることはない。近くの大陸か、カリブ海が多い。仮に、日本映画で、日本のスパイが南シナ海やゴビ砂漠の方で大規模破壊活動をしたり、現地女性を愛人化する映画を作ったら、受けるのだろうか。
007


第9作:黄金銃を持つ男。前作同様、ガイ・ハミルトン監督とロジャー・ムーア。それと、前作でチョイ役だったニューオーリンズ警察の刑事が登場。前作で使った磁石付腕時計をまだ使うのかと思ったが、本作では秘密の小道具はなし。

ストーリーが、ちょっと小さいような気がする。

ソレックスという装置が登場。太陽光の放射能を使ってエネルギーを取り出す装置。これを実用化して売り出すという野望を持った男が登場。なにしろ地球では資源不足が深刻になっている。


石油石炭は枯渇するだろうし、原子力は危険で、地熱発電にはまだ時間がかかるということで、太陽光は無限のエネルギーだそうだ。そんな素晴らしい装置を、ジェームズ・ボンドは大暴れをして、壊してしまう。

ただし、本作では犠牲者の数は少ない。前回では1000人単位の犠牲者が発生したが、今回は100人未満だ。

なんとなく東洋人をバカにしているような雰囲気もあるが、気のせいかもしれない。

それにしても、007シリーズの映画を観ると、同じように、昼間からワインを鯨飲してから運転して大暴れしてみたいような気持になるが、そんな体力はないような気がする。夜なら元気なのだが。