オーケストラ!(2009年フランス映画)

2015-04-14 00:00:06 | 映画・演劇・Video
ボリショイ管弦楽団の元指揮者が、ふとしたことでパリでコンサートを開くことになる。

30年前、ブレジネフ時代に楽団には多数のロマとユダヤ系市民がいたのだが、KGBが手先になり彼らを、そして指揮者を破滅に追い込んでいった。そして、おちぶれた指揮者は清掃員として勤務していたのだが、パリからボリショイ楽団への出演養成のFAXを見つけ、本物になりすますことにする。そして、散り散りになっていた、過去のメンバーを集め、自分をクビにした元KGBをマネージャーに仕立てて、パリに向かう。

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演目は、チャイコフスキーのバイオリン協奏曲。有名すぎる曲であり、ソリストを誰にするか。指揮者が選んだ美貌の女性バイオリニストは自分の出生の秘密を知らないという不幸を抱えていた。

これで、映画としてのテーマは、昔の仲間が集まって、リハもなしに本番演奏するという所謂「昔スイッチ」と、「出生の秘密」という方向に向かう。あえて追加すると「なりすまし発覚のおそれ」ということになるが、発覚してしまうと映画が完成しないので、あくまでもつけたしだ。

さらに、ロシアの石油王やマフィア、現代の共産党とかが付合せになる。

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で、誰しも、ソリストの父親が指揮者ではないかと深読みするのだが、そうではなく、そこにもまたチャイコフスキーが関係する。そして強制収容所。

フランス映画ではあるもののロシア人に好感をもっているようなそうではないような微妙な味がある。

よく考えると、30年経って、皆が集まって、ボロボロ状態から復活というのは日本映画「少年メリケンサック」と同じだ、というより我々になじみのある言葉で言えば「同窓会」ということかもしれない。

たまに、旧友と会う事はあるが、「昔スイッチがオンになること」はいままでなかったのだが、今後あるのだろうか。(スポーツ系はポックリなりそうだし、頭脳系もボケが入るし、無理かな)