女流王将戦休止&女流王位戦の鬼手

2008-10-18 00:00:37 | しょうぎ
先日、小倉方面で豪華食事会のつど、三回連続で芋焼酎「黒霧島」を飲んでいたのだが、その裏側で事態が進んでいた。

1978年から30期続いていた女流王将戦が、突然、休止に追い込まれた。

日本将棋連盟からの発表は、


女流王将戦の休止について(10/9)

この度、1978年より行われてまいりました女流王将戦が諸事情により今期(第30期)をもちまして休止することとなりました。
今後は女流王将戦を再開できるよう努力してまいりますので、ご理解を宜しくお願いいたします。
なお、第30期女流王将の清水市代につきましては、今後1年間(2009年10月31日まで)に限り「女流王将」のタイトル名を使用いたします。


日刊スポーツからの発表は見つからなかったが、朝日新聞は、こう報じる。


女流王将戦、30期で休止 将棋連盟「維持負担が増大」2008年10月8日21時50分

日本将棋連盟は8日、女流タイトル戦の女流王将戦を第30期をもって休止すると発表した。
1978年から実施され、女流名人位戦に次ぐ歴史があるが、維持するのに負担が大きくなったという。今年6月に防衛した清水市代女流王将(39)は来年10月末までタイトル名を使用する。

しかし、この朝日の報道では、維持するのに負担が大きくなったのが日本将棋連盟のような書き方に読めるのだが、真相はどうなのだろう。スポンサーの問題なのか、それとも経費の一部を将棋連盟が負担していて、「もう辞めた」というのだろうか。連盟の発表では、再開の努力を続けるというのだから連盟サイドの問題ではなく、スポンサーサイドの問題なのだろうか。あるいは、持ち出し分の問題なのか。

そして、スポンサーを見ていて、ちょっと驚く。

主催:日刊スポーツ

共催:霧島酒造

そして、2007年は青森の衣料品店ナカトも資金拠出を始めたようだ。ようするにこれらの中で、誰かがドロップアウトしたのだろう。

ところで、共催に名を連ねる霧島酒造だが、この宮崎の会社の主力商品が「黒霧島」である。ホームページにも女流王将戦のことは何もふれられていないが、『非食用事故米穀の不正規流通』については、まったくの無関係であることが発表されている。

しかし、やはり芋焼酎に米が使われているという一般的事情が広く知れ渡ったことが、芋焼酎全体の売上げを押し下げているのかもしれない。

この女流王将戦は過去にも一年(1992年)休止したことがある。今回の「女流王将タイトル」の使用期限の1年は、そのあたりの猶予期間なのだろう。

しかし、実際にこのタイトル戦復活の努力をするのは、誰になるのだろうか。何か責任者不在のような気がする。

この件について、週刊新潮は、かつて10期連続王将の座に君臨し、トップ棋士との愛人問題などで将棋界を離れている林葉直子氏との電話インタビューに成功したようだ。

彼女の説では、タイトル料は100万円くらいで、全経費で700万円程度とのこと。連盟が持出分を出さなくなったのだろうが、それ位ならトップ棋士のポケットマネーでできるはず、とのこと。

時の名人が、愛人を持つかわりに女流王将戦のスポンサーになればいい、ということだろうか(あるいは両方)。


f4be1cd2.jpgところで、現在進行形の女流王位戦、石橋-清水戦だが、既に第二局まで進行。この第一局で、鬼手が飛び出す。

先手の石橋女流王位が43手目に指した▲2四銀。棋譜を追っていて、「絶対、間違っている」と思った手。この銀、歩の頭に打たれたもの。よく最終盤でここに桂を打つ筋はあるが、銀である。まだ序盤の終わりだ。

これだから、女流棋戦は面白いのだが、こういうのは、盤面に並べるか、譜面を頭の中で並べられる人でないと、十分に面白さが届かないのかもしれない。第二局もずいぶん攻守ところを変えながら180手の熱戦になった(石橋王位の二連勝)が、勝負としては派手な手や地味な手が交錯して、面白い。


f4be1cd2.jpgさて、10月4日出題作の解答。

▲5一飛成 △2二玉 ▲3二飛 △1三玉 ▲1一竜 △2四玉 ▲1五銀 △2五玉 ▲1四竜 △1六玉 ▲3六竜 △1七玉 ▲2六竜 △1八玉 ▲2四銀まで15手詰。

これも、並べ詰みのように思えて、最後のとぼけた手を、どう感じるか、という種類の問題である。本当は、最後の手ができないような初型図にしておきたいのだが、なかなか難しい。

動く将棋盤はこちら



f4be1cd2.jpgそして、今週の問題は、双玉&逆王手である。うまく逆王手をかいくぐってほしい。比較的簡単。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数、コメントなどいただければ正誤判断。