WBC監督/はっきりしない人たち

2008-10-16 00:00:30 | スポーツ
人間は機械ではないので、一般的に、その行動を二元論で捉えることは難しいのだが、とはいえ、「やめる」とか「変わる」とか、その身分に関係することは、どっちつかずにするわけにはいかない。しかし、最近、この「はっきりしない人」が急増中である。

まず、東国原宮崎県知事。以前の芸名が「そのまんま東」なのに、国政転進に未練たらたら。もともと、ある大臣の予期せぬ暴言がきっかけだったのだから、「計画的行動」じゃない。「突発的衝動」。本心丸出しということで、それなら県知事を捨てて衆院議員に立候補してみればいいのだろうが、どうもはっきりしない。

次に、麻生首相。解散するのかしないのか。はっきりしない。「解散しないなら、あなたじゃなかった」と自民党議員なら言いたいだろうが、「犬の遠吠え」みたいに聞こえる。いずれ首相の椅子にはタイマーがついているので時期の問題だけか。

大相撲は朝青龍。突然、勝ち星が減ってきたのは、実力の低下なのか、あるいは別の理由か。稽古しなくても勝てる方法が通じなくなったのだろうか。再起をかけて、妙なことをやろうと考えていたら、妙なことになるかもしれない。

柔道の石井慧。柔道を続けるのか、格闘技転進なのか。税金が元手の強化費を使って金メダルを取ったことをすべて忘れて、プロレス入りでは、社費でハーバード大学MBAを取得してから、さっさと退職して、リーマンブラザース日本法人に転職するようなものだ。

そしてスポーツ界で最も「はっきりしない人」たちがウロウロしているのが、

WBCの次期監督。

ご存知、星野監督の不可解采配で、五輪では、ちょっと強いチームには全敗。色々な見方があるのかもしれないが、個人的には「『実戦勘』が鈍っていたのではないか」と考えている。だいたい、短期決戦なのだから、けが人や不調の人など連れて行ってはダメだし、ローテーションなんか考えてもしょうがない。1点先行されると、作戦的に追い込まれていく仕組みがある。普段と逆にリリーフから出したっていいはずだ。1点でも先行したら、長いイニングを投げる先発型投手に変えればいい。作戦に柔軟さがなかったような気がする。

それなのに、再度、彼に監督の声がかかりそうになり、断ったのか断っていないのかよくわからない。監督選考委員になったようだが、委員になったからといって監督にならないかどうかもよくわからない。3年前の王監督はついに引退。こちらは率いるホークスが今年は最下位。燃え尽きた。さらに、「日本シリースの勝利監督」という一見公平な案を出していたバレンタイン監督は、あえなくクライマックスシリーズ不参加。

このクライマックスシリーズ出場監督は、セリーグは原、岡田、落合。パリーグは渡辺、大石、梨田。このうち、岡田、大石は退任表明だ。

ところで、前回を振り返れば、イチローが参戦して、主に3番を打っていた。ヒット数にこだわる彼を1番からはずすのは、メジャーであれば本人が抵抗するのだろうが、WBCでは何でもありだ。要するに今回もイチローを引っ張り出さないといけない。彼が来れば城島も来るのだから、一挙両得だ。さらに、数人のメジャー選手が欲しい。できれば投手で一人か二人。

そうなると、鼻の高いメジャー選手を使いこなすとなると、監督に必要な条件は、三つあるのではないだろうか。

1.監督としての実績

2.選手としての実績

3.メジャー選手としての実績

3条件の3については、少なくても現役監督はいないので、現段階では1と2の条件を満たすということになるのだが、となるとクライマックスシリーズの監督の中では「落合」か。しかし国際試合の経験は不足だ。個性的過ぎて選手はついてこない可能性がある。あえて、現役監督の中から選べば「野村」ということになるが、ナベツネの影が見える仕事を受けるはずないだろう。

つまり、「原監督」ということになり、イチロー以下メジャー選手不参加になり、二軍風の選手による「大砲のいない大砲野球」ということになりそうである。

いっそのこと、最初に選手を選んでから、選手たちに選んでもらったらどうだろうか。総理大臣だってそうやって、間接的に選ぶのだから。