ジェイコム事件で一考

2005-12-15 22:24:56 | 投資

弊ブログ愛読者(と思われる)さなえさまから、ジェイコム事件について、一筆したためるようにと要請された。実は、あまり心に響かない事件であり、感想とかポイントとかの羅列になりそうだが、ご容赦を。

1.誤発注(1株610,000円を610,000株1円で売った)そのものについて
 人間はヒューマンエラーを犯すものであり、顧客からの注文を取り違えることはありがち。私も先日、800,000円の株を1株ネット上で注文すべきところ、800,000円で1,000株と入力してしまった。送ってから「シマッタ」とすぐに気付いたが、幸い数秒後に、”残金がありません”表示が出た。8億円必要だったわけだ。もちろん、1,000株買えればずいぶん儲かったはずだ。
 もともと自己売買部門での発注ではなかったわけだ。

2.システムの責任
 要するに、発注取り消しが利かなかったことについて、東証がシステムミスを公表。今後、損害額を東証と富士通で押し付けあう構造が目に浮かぶが、そもそも、こういった発注取り消しという要件を2社間でどう指示していたかが鍵だろう。結構水掛け論が目に浮かぶ。システムを富士通に任せたプロセスも気になる。

3.値幅制限の効用
 今回は、値幅制限で1円までは下がらなかったわけだ。制限がなければ上下の制限いっぱいまで損失が広がり、途方も無いことになっただろう。しかし、値幅制限には否定的な意見も多い。世界的には上下限値は無いのが一般的。

4.一旦、儲けた証券会社のこと
 自己売買担当者は、早押しクイズの優勝者をスカウトしているという噂があるように、すばやかった。逆に、ファンド勢には、色々と内部規制があることがわかる。ただし、自己売買の特徴は、当日完結型のはずだったので、買いきれないままバランスを残してしまったことになったのだろう。

5.利益の返還行為
 政府も、圧力をかける前に、利益の半分を法人税で取り立てる方がよかったのではなかっただろうか、と思ってしまう。UBSと言えばスイスだが、「スイス人は世界一ケチで、個人主義者だ」という仮説を証明してしまった。利益を返すと言っても、いったい誰に??税務署は今回儲けた個人から、きちんと所得税を取り立ててもらいたいものだ。

IPOをめぐって、別の話
最近、○○○○という会社からシツコク電話がくる。IPOの共同購入の会らしい。なかなか手に入らないIPO銘柄をグループ購入する会とのこと。もうすぐ、「イー・バンク」が上場するらしいとの情報で顧客集めをしているらしいが、やっと諦めてもらった。営業マンは電話で、イーバンクのことばかり話すのだが、知りたいのは、○○○○社の安全性なのだが、妙に答えない。だいたいイー・バンクには既に預金口座もあり、使っているし、よく知っている。さらに、先日、東京スター銀行が上場した時には、初値は売り出し価格を下回っている。その辺を追及したら、丘に上がった蟹のようにあぶくを吹き出す音が受話器の向うから聞こえてきたのだ。

追記;東証の建物は茅場町駅から7分くらいだが、誰でも見学できる。そして、今回のようなことが起きないように市場を監視している現場をガラス越しに見ることができる。はっきりいって、のんびりしている。 



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