トンネル内女性殺人の現場(1)

2006-11-06 00:00:35 | 市民A
89020195.jpg2006年9月23日に発生した「宮前区梶ヶ谷トンネル内女性殺人事件」が、非常に気になっていた。事件発生から1ヵ月半になる。昨年、港北ニュータウン鴨池公園で起きた女性絞殺事件もまだ未解決のままである。梶ヶ谷の事件は、以前、近隣のロードサイドビジネスに関係していたときに、大通りから直角に暗いトンネルに入っていく道があり、「ああ、あそこで起こったのだろう」とおよその予感がつく場所だ。

さらに、この件は10月10日には、テレビ朝日の報道ステーションの中でも特集されたが、事件解決に向けての報道ではなく、要するに「夜のトンネルは危険だ」という一般論として扱われただけだった。事件は深夜に発生したのだが、そう遅い時間は、それこそ物騒。日没後まもなくの時間に行く。

ところで、たいへん困ったことに、犯人そのものが、犯行の詳細をブログに書き、社会に挑戦するという事件がいくつか起きている。伊豆長岡のタリウム事件やクマエリ放火事件だ。事件について書いて、疑われてはどうにもならないので、慎重に書き進める。多くの情報は、ネット上のマスコミ配信記事や地元新聞、また口コミを基にしたと思われるブログによるが、当然ながら、一つしかない真実に対して、いくつもの説があり、うかつには断定できない。ここに、どのサイトからの情報とか書くとまた迷惑になるので、あえて書かないが、簡単に検索できる範囲だ。また、書くにあたり、「真実」と「類推・仮定」とかはできる限り分離しておく。想像で書いた部分が「犯人しか知りえない重大な情報」であったりすると、困ったことになるからだ。

まず、事件だが9月23日(土)、ちょうど0時0分頃。川崎市宮前区の梶ヶ谷トンネルの中の歩道に女性が出血し倒れているのが発見された。発見者は、報道によると、通りかかった45歳の男性という説と、二輪車で通りかかった女性という説があるが、いずれにしてもそのまま病院に運びこまれたが死亡が確認された、とのこと。正面から右胸と下腹部を刺されたということだ。被害者はそのトンネルの出口からすぐ先のマンションに両親と同居していた27歳の女性であった。マンションから女性の悲鳴を聞いたという二件の証言もあるようだ。襲われたときに手に持っていた携帯電話が歩道に残され、財布などもそのままだったそうだ。

89020195.jpgまず、予見を排するため、詳しい情報をあまり調べずに現場に向かうことにする。とはいっても、おおまかの事前勉強では、「怨念説」か「無差別殺人」かというのが特定されていないようだ。ただ、犯行時間が深夜だし、「怨念」とすると、ずっと張り込まなければならないし、あるいは、何らかの被害者の女性の動静についての情報を知りうる立場でなければならない。ところが、「無差別殺人」としても隠れる場所や、逃走ルートについての計画が必要だろうし、夜0時というのもまだ通行人も少しはいる時間である。さらに、嫌な予感だが、怨念を持った女性を殺害しようとして、「人違い」をしてしまった、というおぞましい可能性だってある。何しろ、夜は暗い。犯行はトンネル出口近くで発生し、刺された女性はトンネルを戻るように逃げていて、力尽きたらしい。

まず現場の位置だが、川崎市の内陸部分にある梶ヶ谷という町。被害女性は東急梶ヶ谷駅から自宅へ帰宅途中だった。道は一本で、トンネルの直前に「尻手黒川(しってくろかわ)線」という幹線道路を渡らなければならない。尻手黒川線はJR川崎駅方面から内陸の東名川崎インターにつながる大動脈で、深夜でも車は途切れない。ガソリンスタンド、レストランなど深夜営業の店も多い。

そして問題のトンネルは、丘の上をJR貨物武蔵野線が走り、ちょうど現場の上に巨大な貨物駅がある。東京都内であまり貨物列車を見ないのは、この武蔵野線で都心を迂回させているからだ。この武蔵野貨物線は大部分が地下を走るのだが、何ヶ所かで地上に出て貨物の集散を行う。駅なので、引込み線が多数あり、横に広がった丘を利用しているため、その下のトンネルの距離が長くなる。丘の下には2本の道路が掘られていて、現場は東側のトンネルである。

89020195.jpgそして、このトンネルだが、車道と歩道の高低差がある。片側1車線道路の両外側に歩道はあるのだが、車道よりも1メートル高いところに歩道がある。車道との間は高さ1メートル程度の柵があり、横に逃げることができず、密室感がある。奇妙なことに、未解決なのに「情報を求める立て看板」は表示されていない。現場保存の観点なのか、物騒な看板が周囲の地価を下げるという地元の反対からなのかはよくわからない。「夜の一人歩きは危険」と書かれた看板はあるが、トンネルの中では、夜も昼も同じだ。

トンネルの長さは170メートル。歩道は両サイドだが、被害女性は右側を歩いていた。出口まであと25~30メートルのところで襲われたらしい。携帯電話を操作しながら歩いていたらしく犯人に気付かなかったのだろうと思われている。トンネル内は暗いが、照明の個数は多く、しばらくすると目が慣れる。壁面には、大量の落書きが書かれていて、警備が手薄であると思われることが犯行現場に選ばれた理由という可能性もある。
(つづく)  


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