チャイニーズ・ゴールド事情

2018-06-06 00:00:04 | 投資
昨年来の地政学リスクで金価格がジワジワと上昇していて、南北朝首脳会議、米朝首脳会議(予定)によってリスクが下がる方向かと思ったものの高値維持という状態である。もしかしたらリスクは下がってないということだろうか。つまり・・・

上記懸念にも若干関係はあるが、インドを超える金消費国といえば中国。世界最大の金消費国(年1089トン)であると同時に、最大の生産国(年517トン)であり、しかも最大の輸入国である。

しかし、人民元が強くなる過程で、中国での金価格は徐々に下がっていく傾向にあるはず。ではなぜ金を買うのかというのは謎だが、個人的見解としては、金価格が下がるから買うのだろうと思う。安くなるとその分たくさん買える。要するにある期間を考えれば金を買うのは得ではないかもしれないが、長期的見れば「金は信用できる資産」ということではないだろうか。もちろん背景としては「金持の金余り」ということがある。

ただ、特筆すべきは4000年の中国の歴史の中で金が直接の通貨に使われることはなかったそうだ。日本なんか江戸時代という近世まで金貨があった。インドでは装飾品というような形で身に付ける人が多いが、中国では急に金銀宝飾を身に付け始めると、「あの人は悪事を働いている」と思われ、公職についている場合、取り調べの上、銃殺される場合があるらしい。

ところで以上のような話は田中貴金属の小冊子に書かれていることが多いのだが、同冊子の後半には日本でコツコツ金貯蓄をしている庶民の話が書かれていて、「28年間娘のために貯蓄を続けてネックレスを買ってあげられました」とか、「肺炎で入院した時に金を売ってしのぎました」とか、どうも日本が斜陽国家になっているようにしか思えない。

極め付きは70代の男性が、「23年間ためてやっと葬式代ができました。あとは妻と旅行とか・・・」に至っては、葬式代の残りで旅行に行くつもりなのだろうか、と大いに心配になる。散骨の旅?


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